脚本:面出明美 絵コンテ:斧谷稔 演出:森邦宏 作画監督:重田敦司



研究員A 「逃げろ、倒れるぞ!」
研究員B 「噴火も始まったのか?」
カナン 「大丈夫?勇」
勇 「大丈夫だ。カナンこそどうなんだ?」
カナン 「勇のような無茶はしないわ」
勇 「プレートか」

ノヴィスクルーA 「カーテン発生まで、後100秒」
ノヴィスクルーA 「カーテン発生します。80秒前!」
作業員 「ええ?どうなってるの・・・?」
副長 「ノーマルエンジン停止」
副長 「オーガニック・エンジンの始動テストだよ、カーテン出たらやってみる。電波障害が出なけりゃ良いんだ」
アノーア 「オーガニック・エンジンか」
ノヴィスクルーA 「カーテンきます。2、1・・・」
副長 「オーガニック・エンジン始動」
作業員 「電波障害が出てます!」
副長 「オーガニック・エンジン、動きました」
副長 「まだこれだ。ノーマルエンジンに切り替えろ!こんなので現代の箱舟っていうんですか、ノヴィス・ノアは?」
アノーア 「偽装中なのに10秒は動いたのだ。順調ですよ」
ノヴィスクルーB 「微震キャッチ」
アノーア 「イランド発進。周辺のプレートチェック」

国連軍A 「よし」
国連軍A 「アンチボディーだな。グランチャータイプだ」
国連軍B 「あんなのが本当に海の中から出てきたのか」
勇 「これもビープレートとは違うな」
カナン 「どちらにしても、プレートは全て回収でしょ」
勇 「真面目だな。そんなにオルファンに認められたいのか」
カナン 「あたしは、グランチャーのパイロットになれた事を誇りに思っているのよ」
カナン 「それにオルファンのリーダーが御両親の勇とは身分が違うでしょ?」
勇 「そんなの関係無いだろ。・・・また地震?」
カナン 「東のほうに新しいプレート・・・?クインシィ・イッサーに照会するわ」
勇 「プレートは全て回収せよ、だろ?」
国連軍A 「あいつ等プレートを運んでるぞ」
国連軍B 「なんて連中だ」

ユキオ 「また余震だ」
アカリ 「今度は近かったんじゃない?」
比瑪 「アカリ、登る道を見つけて」
アカリ 「うん」
ユキオ 「よーし」
比瑪 「せっかく皆の食料も見つかったんだし」
アカリ 「こっちが道になってる!」
比瑪 「最終のバスに乗らないとね」
比瑪 「あれ・・・?」
比瑪 「走りなさい!」
避難民A 「プレートだ!」
避難民B 「こんな所にプレートが出るのか?」
避難民A 「走ってるぞ!」
比瑪 「右に逃げて!」
アカリ 「比瑪姉ちゃん!」
比瑪 「これ以上来てどうするつもりなの!?」
比瑪 「逃げて!」
比瑪 「泣かないでよ、クマゾー!」
比瑪 「プレートからアンチボディが生まれる・・・・・テレビで言ってたリバイバルってこのこと?」
ユキオ 「グランチャーってやつが出来たんだ!」
アカリ 「嘘だぁ・・・」
アカリ 「あれさ、悪い奴じゃないの?」
比瑪 「そういうのって分かってないみたい・・・グランチャーっていうのと違うわ!?」
クマゾー 「比瑪姉ちゃん!」
ユキオ 「駄目だよ!」
比瑪 「この子、優しい目をしてるよ」
比瑪 「ほらね、見ててごらん」
ユキオ 「でもさ・・・」
ユキオ 「駄目だよ!比瑪姉ちゃん!」
比瑪 「この子、生まれたばかりの赤ちゃんなのよ!」
アカリ 「これで赤ちゃん?」
消防士 「そのアンチボディから離れなさい!」
比瑪 「この子は誰かに面倒みてもらいたがってるんでしょ?・・・・ここに入れるの?」
消防士 「何がどうなるか分かっていないんだ!」
比瑪 「調べもしないで!」
比瑪 「ぽかぽかしてる・・・すべすべしてるのに柔らかいなんて。外が見える?」
比瑪 「色んな言葉があった。あなたはどうしたいの?生まれたのならあなた何かしたいんでしょ?立てば、立ってから考えましょ!」
比瑪 「立てるのね!」
比瑪 「立てたのよあなた、落ちついてあなたはちゃんと歩けるわ。さあ、自信を持って!」
消防士 「踏み潰されても良いのか!」
アカリ 「姉ちゃんが乗ってるんだぞ!」
消防士 「何言ってるんだ!」
ユキオ 「何すんだよお!」
比瑪 「うちの子をどうするんです!?」
比瑪 「何があったの?あなた・・・君?」
比瑪 「別のアンチボディ?あれはテレビで見てるのみたい・・・あれ、君の仲間なの?」
比瑪 「動く時はゆっくりよ。物を壊したら嫌われるのよ、君」
勇 「プレートからリバイバルしてる。カナン、グランチャーじゃないぞ」
カナン 「あのブレンパワードにアジャストした人がいるんだ・・・誰なの?」

(アイキャッチ)

比瑪 「そうよ・・・そうなのよ上手じゃない。そうやってゆっくり、落ちると壊れちゃうんだから」
比瑪 「まだ二人いるのよ!ほら君!」
比瑪 「アカリはクマゾーに手を貸して!急いで!」
比瑪 「そうよ。君上手だね、上手よ」
勇 「ブレンパワードを動かしてる?」
カナン 「破壊するよ勇。ブレンパワードにリバイバルしたら撃破するのが規則だ」
勇 「え・・・」
カナン 「ああ・・・・・あっ?」
比瑪 「あなた・・・君、どうしたの?落ちてないわね」
ユキオ 「あ、ああ」
アカリ 「比瑪姉ちゃん!」
比瑪 「あなたねぇ、この子達を落としたら承知しないから!」
比瑪 「そうよ、そのままあたしたちの家のほうへ行くの」
避難民C 「来たぞ!」
避難民D 「声を出すなって!」
比瑪 「大丈夫ね。あれがテレビで言ってたグランチャーなら・・・」
勇 「ブレンパワードに乗っている奴!」
比瑪 「誰の声?どこにいるの?」
勇 「ブレンパワードの事を知らないのに乗るんじゃない!」
カナン 「すぐに降りなさい!不完全なアンチボディは危険なんです!」
比瑪 「この子言う事聞いてくれてるわ!お節介はいいわ!」
勇 「マスコミの言う事なんか聞いてどうする!ブレンパワードは使っちゃいけないんだ!」
カナン 「押さえて!勇!・・・・はっ!?」
カナン 「勇待ちなさい!」
勇 「ブレンパワード!」
比瑪 「な、何よ?」
カナン 「あのブレンパワード、力がある。一体どういう事?オルファンのブレンは魂の無い人形でしかないのに・・・・・勇!」
勇 「貴様ー!」
勇 「・・・はっ?」
アカリ 「な、何か光ったぁ!」
比瑪 「生まれた子が立ちあがって飛びたがってたのよ!それなのに、あなた達が来たおかげでびっくりして恐がってるわ!」
勇 「恐がってる、だって?」
比瑪 「あなた達こそ一体何なの?」
勇 「グランチャーでオルファンの意思を表す者だ」
比瑪 「オルファンって海の中にある遺跡でしょ?・・・君は!?」
勇 「あいつ・・・」
比瑪 「プレートをちゃんと掴んで!人間は落ちたら死んじゃうのよ!」
比瑪 「オルファンなんて!・・・大丈夫ね?」
ユキオ 「大丈夫みたいだけど」
アカリ 「早く降りようよー!」
比瑪 「オルファンなんて世界中に地震を起こしている変な遺跡なんでしょう?女の顔してるとか地球を壊すとかってさ!」
勇 「ペラペラうるさい女がいいかげんな事言うな!」
比瑪 「あたしは、女じゃないわ!宇都宮比瑪っていうのよ!そっちこそ変なものを使ってプレート集めしてるらしいけど、なんでさ!」
勇 「オルファンが必要としているからだ!」
カナン 「勇、下がりましょ!」
勇 「ブレンパワードは不完全なアンチボディなんだろ!」
カナン 「それに、子供を盾にしているのよ」
勇 「うっ・・・」
比瑪 「盾?誰が弟や妹達を盾になんかするもんですか!」
比瑪 「あっ」
ユキオ 「何だ?」
アカリ 「どしたの?」
比瑪 「はっ・・・何?」

アカリ
ユキオ
クマゾー 「はははっ、あははは」
比瑪 「好きにさせると好きに飛んでさ」

比瑪 「降りるの?」
アカリ 「着いた」
クマゾー 「あー」
比瑪 「降りられるわね」
ユキオ 「アカリ、クマゾーに手をかしてやれ」
アカリ 「ほら、我慢よ」
クマゾー 「うん」
直子 「勇とか依衣子ではないの・・・」
直子 「グランチャーではないわ」
比瑪 「か、勝手に降りちゃったんです」
直子 「柔らかくもなく、堅くもなし。でも重い」
比瑪 「ご存知なんですか?プレート」
直子 「ああ、オルファンにいらっしゃる方?」
比瑪 「オルファンって、あの太平洋の海溝で発見された遺跡とかって事ですか?」
直子 「あ・・・良いのよ。良いんですよ」
直子 「倒れたトマトは集めないとね。食べるでしょ皆さん」
アカリ 「あっ・・・」
クマゾー 「トマト」
直子 「うちのは美味しいのよ」
比瑪 「ああ・・・」

テロップ:そして1年後・・・

勇 「俺の誕生日なんて、誰も憶えてないだろうな」
勇 「宇都宮比瑪。確か、そう言ってたよな」
比瑪(回想) 「宇都宮比瑪よ!」
勇 「あれ一年前だぞ。どういう子なんだろう?」
勇 「俺、17才になってしまった。カナン、悪いけど・・・!」

勇 「グランチャー部隊の伊佐未勇」
研作 「個人差のある抗体反応を統一したデータにするんだろう?・・・おう」
翠 「あら、ちょうど良かった。もう一度あなたのデータを取りたいの。準備してくれる?・・・・・なっ?」
研作 「勇!」
翠 「おやめなさい・・・!」
勇 「オルファンが海の中から浮上したら人類はみんな死ぬんだろう?そういうのを手伝う仕事なんかもう嫌だ!」
翠 「あなたもリクレイマーになって7年、オルファン浮上の為に・・・!」
勇 「精神も肉体もグランチャーに合わせてアンチボディになる事は辛いんだぞ!」
研作 「勇!冷静に!」
勇 「親父の研究のおかげで子供が実験台にされたんだ。お袋だって姉さんだってここに来てからまるでオルファンのアンチボディじゃないか!」
勇 「姉さん!」
クインシィ 「裏切り者は!」
研作 「待て!依衣子!」
クインシィ 「私はクインシィ・イッサー。伊佐未依衣子ではない!」
勇 「くっ!」
クインシィ 「逃がすか!」
研作 「依衣子!」
翠 「これが、オルファンの意思だというのですか!」
研作 「そうなのか・・・」

勇 「おい、付き合ってくれるな」
勇 「おまえだって、"光"っていうのを見たいだろう?」
勇 「そうだ、おまえはオルファンにいるような奴じゃない」
クインシィ 「本当なのか?」
警備兵 「シートが捲れてました」
勇 「急げよ。こんなブレンパワードのゴミ箱で金属の塊にはなりたくないだろう」
クインシィ 「ボヤボヤしてるな!」
警備兵 「はっ」
クインシィ 「ブレンパワードを動かしたのか!」
クインシィ 「勇!動かしてぇ!」
勇 「姉さんがおかしいんだ!」
警備兵 「クインシィ・イッサー!」
勇 「良いぞ。そうだ、正面に丸いものが見えるよな?」
警備兵 「ランチャーかバズーカを使いますか?」
クインシィ 「オルファンの中だぞ!グランチャー部隊に発進を用意させろ、追撃させる!」
クインシィ 「外に出たからって!」

勇 「海水がきたぞ。耐圧、かけられるな。・・・ようし、いい子だ!」
勇 「深海7000メートルだ。大丈夫だよ、おまえは潰れていない、強い子だからね。さぁ!行こうか!」
勇 「出来るじゃないか。けどゆっくりは出来ない。頼むぞ!」



→第02話「運命の再会」
https://ishikobafuji.diarynote.jp/201106072210349001/

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