天衣無縫という言葉がある。

自然なままの美しさ、という意味であるがぁ。


富士君の蔦マッドネスや、鱈のコンボ特化エルフ、黒単リアニなどは
デッキ総体でもって、戦術的コンセプトがまとめれらている印象が強い。
サイドボードや、緩衝材のような位置のカードも入ってはいるが。
（ミスディレや本質の管理人といったものね。）


それに対し、どうにもリベリオンの構築はよろしくない方向に行っている気がする。
独楽やら墳墓やら、サイドボーディングも防御を優先する余り
どんどんパワーカード頼みになっていってしまっているし。

リベリオンというデッキコンセプトを考えると、単色で組もうとする限りは
どうしても伸ばすべき方針にアーティファクトなどが絡んできてしまう。
他の色をタッチしてのグッドスタッフよりはマシかもしれないが、
どの道デッキへ採用するカードの統一性というものは失われていく。
いや、オリジナリティと言うべきだろうか。


そういったデッキ構築において大事なのは、想定される対戦環境において
「そのデッキの戦術コンセプトというものがどれだけ通じるか」ということだ。

オリジナリティを考えた特化的なデッキ構築は、
versatileな性能を持つパワーカードの投入を抑えられるため安価に組めるし、
或いはトーナメントにおいて使用頻度の少ないカード・コンボであれば
敵のプレイングミスなどを誘いやすくもなるだろう、が。
しかしながら、そういったデッキはシナジーの倍率が高いことが長所であって、
単体のカードパワーの低さを（シナジーの決裂などで）突かれると脆いわけだ。

そもそものデッキコンセプトが、環境において無力たる場合もある。
zooやクロパーが流行っているところに、何らかの爆発力を持つビートデッキで
意気揚々と凸ったとして、流行のデッキと似通ったコンセプトである以上、
サイドどころか１ゲーム目のメイン対決からして対策を取られている可能性が高い。
どんなに美しい、独自性・統一性に溢れたデッキデザインであろうが、
対人戦では勝てなければただのナルシシズムでしかない。


レガシー環境において、デッキタイプを高速と低速に分けた場合、
低速デッキの多くはフェッチランドやデュアルランド満載のグッドスタッフである。
であるならば、高速デッキこそがオリジナルのデッキ（地雷とも呼ばれる）が
活躍を見込めるデッキタイプと言えるだろう。
リベリオンも、蔦マッドネスも、そうした観点において
なかなか秀逸なデザインにはなっていると思われる。

だが、結局はどちらのデッキも、伸びしろを考え出すとどうしても
パワーアーティファクトやデュアルランドの採用を考える羽目になる。
それらのデッキは現状、妥協を持って組まれていることになるというわけだ。
今はそれで勝てているが、今後は対策を取られるなどして勝ちが拾えなくなるかもしれない。
そうなれば、鷹取支部はただのナルシスト集団でしかなくなる。困る。


予算的な限界で言えば、鱈は勿論の事、恐らく富士もデュアランや各種高額カードを
買い揃えられないことはないのだろう。

ならば何故買わないのか？　といえば、ＭＴＧという娯楽に求めるものが
「貪欲なる勝利」でなく、各自の美学・哲学・ポリシーに基づいたものだからだ。

このようなＭＴＧにおける各人の楽しみ方のブレというのは
インターネット上でも各所で昔から話題に挙がってきたものではあるが、
このサイトにおいては、時々その辺りの境界線が曖昧になってしまっている気もする。
改めて、 安価でかつ独創性に溢れたデッキで、大会で勝ちをもぎ取るかを研究するサイト
であることを明記しておく必要があるかもしれない。




何でこんな中身の無い駄文を唐突に書いてしまったのかといえば、
親和デッキこそそうしたマイポリシーにおいてデッキ構築に悩む価値があるのでは、
と思えたからなのだが。
エラヨウ親和マジおもすれー＾ｐ＾