ブレンパワード 全台詞集 第06話「ダブル・リバイバル」
2010年8月13日 ブレンパワード全台詞集脚本:富野由悠季・高橋哲子 絵コンテ:斧谷稔 演出:森邦宏 作画監督:戸部敦夫
比瑪
(ナレーション) 「伊佐未勇がノヴィス・ノアに居着くなんて思えないなあ。グランチャー1機でやってきた女は勇とずーっと一緒だったっていうのよ。そんなのが撃墜されたように見せかけて勇を連れ戻しに来たぁってことだってあるじゃない?」
ヌートリア艦長 「シラー・グラスか。作戦ご苦労」
シラー 「ヌートリア、急いでいるな」
ヌートリア艦長 「木曾山中の震源地より、プレートが出た」
シラー 「またか?」
ヌートリア艦長 「ヌートリアは後続のグランチャーと連携、本艦は待機海域へ急行する」
シラー 「アンチボディが生まれるってのかい
・・・・・もうじきオルファンだよ、あたしのぼうや」
シラー 「プレート回収に出るのか?」
リクレイマー 「大騒動さ」
ジョナサン 「アネルとゲインは重装備だぞ」
フィジシスト 「待たせてます」
ジョナサン 「帰ったか」
シラー 「ジョナサン・グレーン。御自らのご出陣ですか?」
ジョナサン 「裏切り者達の首を手土産にしてきたのでもない。グランチャー部隊の名折れだぜ」
シラー 「くっ・・・」
ジョナサン 「けどさ、カナン機を撃破したのだから許せるかな」
シラー 「ありがとう」
ジョナサン 「裏切り者のグランチャーが敵に回る事がなくなったのだから、ペナルティは無しでいいな」
シラー 「すまない」
ジョナサン 「しかし、ノヴィス・ノアのブレンパワードが組織的に動き出したのであれば、それは脅威であります。我等のグランチャー部隊の増強は急ぎます」
クインシィ 「その為のブレート回収だ。リバイバルにパイロットを立ち合わせてグランチャーの稼働効率を上げなければならない」
シラー 「クインシィ・イッサー。私も回収部隊に加えて頂きたい!」
クインシィ 「おまえは帰ってきたばかりで消耗しきっている。それに、グランチャーも嫌がっている」
ジョナサン 「今回は俺達に任せろ。では、クインシィ・イッサー!」
ゲイブリッジ 「ああ、今朝の地震には日本政府は理化学研究所の職員を派遣したよ」
アノーア 「ヒギンズ・サスを飛ばします。よろしい?」
ゲイブリッジ 「期待し過ぎると思うが任せるよ。それが終わったらこちらに来てくれないか」
アノーア 「はい」
ヒギンズ 「ねえ。オルファンのスパイを受け入れちゃう艦長なんて信用できて?」
ウェッジパイロット 「カナン・ギモスがスパイってんですか?ありゃあ勇と同じですよ。我が強いだけでスパイなんか出来ゃしませんよ」
ヒギンズ 「そんなに単純な奴かぁ?確かに勇だってコンプレックスの塊だものね・・・」
デッキクルー 「はーい!コモドちゃん良いねぇ、良いですよー。どうぞ!」
デッキクルー 「コモドの野郎ー!」
コモド 「震源地の偵察などハンティングにもならないんだから、オグンに誓うまでもないさ」
アイリーン 「ご覧の通りカナン・ギモスの全身スキャン、メンタルテストからも精神状態は保証できます」
ゲイブリッジ 「直子が心配しているのはカナンの事ではないな・・・?」
直子 「はい、勇はどんなつもりでカナンさんを連れてきたんでしょう?そのほうが気になります」
アノーア 「私にとってはどちらも元リクレイマーです、危険分子にしか見えません。司令の目論見はオルファンの情報を集めるおつもりでしょう?」
ゲイブリッジ 「彼女はオルファンにいる事に疲れたのだ。こちらの戦力になると思うな」
直子 「司令の直感、当たりますものね」
アノーア 「そうですか」
直子 「そうですよ」
ゲイブリッジ 「・・・ご苦労」
アイリーン 「はい」
ラッセ 「ん?何やってんだ、あの二人」
ナンガ 「さぁねぇ。多分勇とカナンのスパイをやってんだよ」
ラッセ 「あの女が年下の坊やを追いかけてきたって話もあるけど?」
ナンガ 「そんな安っぽい女か?」
ラッセ 「そうだな、そういう女じゃない」
ナンガ 「だからスパイしてんだろう?」
カナン 「確かにインターフェイスへのタッチが違うわね」
勇 「オルファンでの感触と外に出てからとでは全く違ったね」
カナン 「反応が早いの?」
勇 「グランチャーとでは反応する感情の色とか深さが違うんだ」
カナン 「感情の色?深さ?」
勇 「喜怒哀楽って言うだろ?そういう色合いっていうのかな、そういうものやその時々のこちらの深いところにある感情、そういったものをピックアップしてくれてその上でこちらの全体の気分を受けてくれるのさ」
カナン 「部分では深く、全体では優しいのね」
勇 「そういう事かな、そうだろうね」
アカリ 「カナンっていう奴が勇を連れ出そうとしたら断固阻止するんだぞ」
クマゾー 「だんこそし!」
勇 「そうやって座っているとさ、気持ち落ち着かない?」
カナン 「頭痛は来ないわ」
勇 「親父達はこの違いを隠していたんだ」
カナン 「オルファンではブレンパワードの特性が殺されていたのよ。アンチボディの個性って・・・」
勇 「ううっ!
何やってんだ?放せ!」
カナン 「あなた達?何意地悪してるの?」
アカリ 「勇はここにいるんだ!」
クマゾー 「だんこそし!」
カナン 「ああ・・・」
勇 「な、なんだよ。引っ張ってくれたって、良いじゃないか!」
カナン 「手伝えないなぁ。こういう所でブレンパワードは活性化したのか、落ち着くわ」
勇 「う・・・うわぁ!」
カナン 「大丈夫?」
勇 「ま、股裂きだ!」
アカリ 「落ちるぅ!」
ナンガ 「やれやれ。昇る時脚立を倒すから」
比瑪 「怪我させたら承知しないから!」
ラッセ 「俺達の出る幕は無い、か」
コモド 「理化研の連中のほうが足が早いなんて」
コモド 「あなた達は誰の許可を得てプレートに触っているの!」
源野 「ノヴィス・ノアの方ね。理化研の依頼でプレートの調査にきた源野三尾です。あたし達が発見したプレートの事で聞きたい事があれば日本政府を通して下さい」
コモド 「このプレートの権利を主張するんですか?」
源野 「いけませんかしら?」
コモド 「あっ!」
源野 「あっ!暴力はいけません!ああっ!」
コモド 「グランチャーが来たわ」
源野 「えっ」
ヒギンズ 「グランチャーの数は?」
ウェッジパイロット 「それどころじゃないみたいだ。ヨルバ教のお助けはなかったのかな」
ヒギンズ 「そんなのあるわけないよ・・・!」
ノヴィスクルーA 「コモド・マハマ離脱出来ます」
ノヴィスクルーB 「救援はいるようです」
ノヴィスクルーA 「ウェッジ・・・合流点へ急げ」
アノーア 「オーガニック・レーダーでも確認出来たのだな?」
副長 「はい。カーテンが下がってましたからチェック出来ました」
勇 「カナンはブレンに慣れるんだ。そこにいな」
カナン 「ありがとう」
勇 「出かけるのか?」
デッキクルー 「ナンガ、ラッセは周辺警戒に当たる」
勇 「なんだってんだよ、ここの奴等・・・!」
比瑪 「ありがとう」
クマゾー 「うん」
勇 「出かけるんだろ?俺にも行かせろ」
比瑪 「あなたは出かけちゃいけないんだよ。捕虜なんでしょ?」
勇 「誰が捕虜だ!」
比瑪 「なら謹慎中の!」
勇 「こんな船のクルーになった憶えはない!」
比瑪 「少しは現実を考えたら?」
勇 「イランド一機でプレート探しに行く?ああっ」
比瑪 「何やってんの?あんた!」
勇 「おまえこそ!楽して子供達を食わせる為に、こんな軍艦の厄介になってさ!」
比瑪 「違うわよ!この船がブレンを必要だっていうから乗ってやってるんじゃない!あんたみたいに女性の気を引く為にブレンに乗ってるんじゃありません!カナン・ギモスだって、変な名前!」
勇 「なんで!カナンの名前が出るんだ!・・・うわっ!」
比瑪 「ホントの事でしょ!?」
勇 「落とすなよー!」
コモド 「ばちが当たったんだ。出撃の時にオグンに頼まなかったばちが当たったんだ!」
源野 「あっ、どうも」
桑原 「い、いやあ。逃げられますか?」
源野 「グランチャーって、ブレンパワードとは違うわ・・・」
桑原 「どうします?」
源野 「知らないわよ!」
コモド 「あんな数?」
(アイキャッチ)
ヒギンズ 「グランチャーが見えた」
ウェッジパイロット 「本当ですか?」
ヒギンズ 「コモドから連絡は?」
ウェッジパイロット 「ノイズだけです」
ヒギンズ 「撃墜されてないわよね・・・」
コモド 「なんであたしにブレンが無いの!?」
ジョナサン 「無闇に撃つんじゃない!あのプレートをヌートリアに運ぶほうが先だろ!」
勇 「ノヴィス・ノアの・・・」
比瑪 「コモド?敵と接触したの?怪我はないのね?」
コモド 「グランチャー7、8機がいる。プレートが一枚じゃないのよ、4枚はあった」
勇 「そんなに出たのか!」
比瑪 「ウェッジ・・・ヒギンズ・サスはどこにいるんです?」
コモド 「北側にいるわ」
勇 「正気か?」
比瑪 「何よ!」
勇 「うあっ!頭を出したらやられるだけだろ。低空で行くんだ、ヒギンズさんだって高度をとるわけないだろ。ああっ!」
比瑪 「そうか!うわっ・・・」
勇 「あっ、うわっうわ・・・・うわあああ!」
比瑪 「ブレン!コモドさん頼みます!」
勇 「くうっ、お落ちるかぁ・・・!くあああ!」
コモド 「ミスター・ユウ、飛び降りて!」
勇 「えっ?はっ?」
コモド 「あなたは比瑪の邪魔をしているわ。早く!」
勇 「そっちへ行ったって・・・うわあああ!」
コモド 「操縦の邪魔をしないで!」
比瑪 「グランチャーが動いている?勇!コモド!」
コモド 「何とかしなさい!」
勇 「何とかったって・・・」
コモド 「ようし、落ちないで」
勇 「落ちるつもりはない!」
ジョナサン 「なんでこんなにプレートが出てきたかは、後で考えれば良い。急げぇ!」
源野 「ああ!」
桑原 「見つかりますよ!」
源野 「あたしの見つけたプレートを持ってっちゃう!」
桑原 「声を出さないで!」
源野 「あたし・・・オルファンに行って研究したいわ!」
桑原 「何馬鹿な事言ってるんです・・・」
源野 「あっちはアンチボディだっていっぱいあるのよ!」
ナンガ 「どうだ?ブレンとは仲良く出来そうか?」
カナン 「基本はグランチャーと同じだけど、神経に直接触ってくるっていう脅迫的感覚はないわ」
ナンガ 「そりゃあ良かった」
カナン 「好きだわ。これ」
ナンガ 「あんたみたいなのが、なんでオルファンに行ったんだ?」
カナン 「えっ?」
ラッセ 「聞かせてくれよ」
カナン 「数十万年前から地球上の生物のエネルギーを溜めて、銀河から銀河へ飛行する・・・想像しただけで素敵でしょ?」
ナンガ 「オルファンはスペースシップなのか?」
カナン 「ん・・・それがオルファンの再生をしようとしているリクレイマーの結論ね」
ラッセ 「うん?そういうものに惹かれたというわけかい?」
カナン 「・・・そうね」
アノーア 「ブレン全員に、出撃」
カナン 「ん?」
ヒギンズ 「海上に支援部隊がいるのね?」
勇 「プレートの数が出たんなら、オルファンから支援部隊が揚がってくる」
ウェッジパイロット 「海上に出るぜ」
ヒギンズ 「グランチャーの動き、今までと違うんじゃない?」
勇 「オルファンの浮上が始まれば、やる事は違ってくるさ」
ヒギンズ 「どう違ってくるの?」
勇 「プレートだっていつリバイバルするかもしれない・・・こいつにはミサイル無いのか!?」
ウェッジパイロット 「そりゃあるさ!」
アノーア 「ナンガ、ラッセが左右について!」
ゲイブリッジ 「様子を見よう。艦長」
アイリーン 「あなたの体力はまだ回復していないんですから、長距離はまだ無理です!」
カナン 「この子を勇に届けるだけです。下がってください」
アイリーン 「ナンガ!ラッセ!カナンを助けてやって!・・・あ?」
アイリーン 「良いわね、ラッセ!」
ラッセ 「了解!彼女から目を離しませんよ!」
ラッセ 「彼女、腕が良いぜ」
ナンガ 「惚れたか?」
ラッセ 「まさか」
アイリーン 「元グランチャーのパイロットか・・・」
カナン 「ううっ!どうしたの?あたしが嫌いなの?・・・嫌ってくれても良いから!」
ラッセ 「どうした?カナンさんのほうの拒否反応か!?」
カナン 「あたしを好きになってくれなくてもいいから、今はふたりで勇のところへ行きましょ!」
ラッセ 「落ち着けるか?」
カナン 「大丈夫、飛べます」
ナンガ 「よーし、カナン・ギモス。勇と比瑪のいるところへ飛ぶぞ」
カナン 「ど、どうぞ。行くわね、君!」
ナンガ 「結構。ではバイタル・グロウブ合わせだ、良いな?」
ラッセ 「来たぞぉ。飛べるってさ!・・・いち、にの、さん!」
比瑪 「ああ、嫌んなっちゃう。プレートは全部海に持っていかれちゃうの?」
比瑪 「ビリっけつの一人を倒せば・・・いけぇー!」
ジョナサン 「動いた?」
ジョナサン 「本気か!?」
ジョナサン 「どこだぁ!?」
比瑪 「全部持っていかせるもんか!」
比瑪 「うおー!!」
ジョナサン 「逃がした!落ちたのはいいからヌートリアとの合流を急げ!」
比瑪 「あたしは馬鹿だ!勇にブレンを持ってこさせれば何とかなったのに!」
コモド 「あたしがいくよ。比瑪が攻撃しな!」
比瑪 「了解!」
ジョナサン 「こいつ!」
ジョナサン 「ぬぅ・・・ぬうううう。な、なんだ?この、げっっそりする感覚は!ううっ」
比瑪 「ううっ、はぁ。・・・来るっ!」
比瑪 「だったらさぁ!狙い撃ちぃ!」
勇 「援護してやれ、あれじゃやられるだけだ!」
ウェッジパイロット 「数がいる!」
ヒギンズ 「プレートが変よ?」
勇 「えっ?」
勇 「リバイバルが始まってるんだ」
ヒギンズ 「ええ?」
勇 「ミサイル、あるんだろ?」
比瑪 「この程度!・・・ううっ」
比瑪 「はぁ!?」
比瑪 「ラッセ!ナンガに・・・勇のブレンも?」
ジョナサン 「プレートをヌートリアに収容させるのが先だ。ブレンがあれだけ集結したとなれば戦い方を考えなければならん!」
比瑪 「勇のブレンって事は、カナン・ギモスが来たの?」
カナン 「はぁはぁはぁ・・・」
ナンガ 「カナン!大丈夫か!」
カナン 「ちょっと疲れた・・・落ち着きたい」
ナンガ 「比瑪、ラッセ、後退するぞ!」
比瑪 「え、ええ、はい」
比瑪 「何さ!あ、あたしだって、あたしだって一杯疲れてるのよ!」
ヌートリア艦長 「プレートの収容作業、急げ!」
ヌートリアクルー 「曳航索出せ!」
ヌートリア艦長 「ドンピシャリの合流!」
ラッセ 「そっちに行こうか?カナンさん?」
カナン 「いや、ありがとう。いきなり長距離をやったから、何か力を吸われちゃって・・・」
ラッセ 「そりゃあそうだろう。飛べただけで大したもんだ。そっちに行かなくって、いいんだな?」
カナン 「ありがとう、本当に・・・ああっ?リバイバルしている?」
ウェッジパイロット 「山一つ向こうからは、グランチャーが襲ってくるんだぞ!」
勇 「リバイバルに立ち会ってやれば、こちらに合わせてくれるのがアンチボディなんだ!」
ヒギンズ 「この光、見た事がある・・・プラハで見たのと同じだ・・・」
プラハ住民A
(回想) 「あれが地震の原因だったのか?」
プラハ住民B
(回想) 「地鳴りはしてたもんなぁ」
ヒギンズ(回想) 「町のシンボルの橋までが落ちた。何なの?」
コモド 「リバイバル・・・?」
勇 「この時間のかかり方、妙だぞ?」
カナン 「リバイバルする?」
勇 「するさ。ブレンパワードにね」
カナン 「えっ?」
カナン 「このアンチボディ・・・」
勇 「一つじゃないぞ・・・!」
ヒギンズ 「どういう事?」
勇 「そ、そりゃあ・・・オーガニックなら双子だって事もあるけど」
コモド 「二人もリバイバルするの?戦いの神オグンが遣わしてくれたの?」
比瑪 「へぇ・・・」
第05話「敵か味方か」←
https://ishikobafuji.diarynote.jp/201106221913073141/
→第07話「拒否反応」
https://ishikobafuji.diarynote.jp/201009142313225428/
比瑪
(ナレーション) 「伊佐未勇がノヴィス・ノアに居着くなんて思えないなあ。グランチャー1機でやってきた女は勇とずーっと一緒だったっていうのよ。そんなのが撃墜されたように見せかけて勇を連れ戻しに来たぁってことだってあるじゃない?」
ヌートリア艦長 「シラー・グラスか。作戦ご苦労」
シラー 「ヌートリア、急いでいるな」
ヌートリア艦長 「木曾山中の震源地より、プレートが出た」
シラー 「またか?」
ヌートリア艦長 「ヌートリアは後続のグランチャーと連携、本艦は待機海域へ急行する」
シラー 「アンチボディが生まれるってのかい
・・・・・もうじきオルファンだよ、あたしのぼうや」
シラー 「プレート回収に出るのか?」
リクレイマー 「大騒動さ」
ジョナサン 「アネルとゲインは重装備だぞ」
フィジシスト 「待たせてます」
ジョナサン 「帰ったか」
シラー 「ジョナサン・グレーン。御自らのご出陣ですか?」
ジョナサン 「裏切り者達の首を手土産にしてきたのでもない。グランチャー部隊の名折れだぜ」
シラー 「くっ・・・」
ジョナサン 「けどさ、カナン機を撃破したのだから許せるかな」
シラー 「ありがとう」
ジョナサン 「裏切り者のグランチャーが敵に回る事がなくなったのだから、ペナルティは無しでいいな」
シラー 「すまない」
ジョナサン 「しかし、ノヴィス・ノアのブレンパワードが組織的に動き出したのであれば、それは脅威であります。我等のグランチャー部隊の増強は急ぎます」
クインシィ 「その為のブレート回収だ。リバイバルにパイロットを立ち合わせてグランチャーの稼働効率を上げなければならない」
シラー 「クインシィ・イッサー。私も回収部隊に加えて頂きたい!」
クインシィ 「おまえは帰ってきたばかりで消耗しきっている。それに、グランチャーも嫌がっている」
ジョナサン 「今回は俺達に任せろ。では、クインシィ・イッサー!」
ゲイブリッジ 「ああ、今朝の地震には日本政府は理化学研究所の職員を派遣したよ」
アノーア 「ヒギンズ・サスを飛ばします。よろしい?」
ゲイブリッジ 「期待し過ぎると思うが任せるよ。それが終わったらこちらに来てくれないか」
アノーア 「はい」
ヒギンズ 「ねえ。オルファンのスパイを受け入れちゃう艦長なんて信用できて?」
ウェッジパイロット 「カナン・ギモスがスパイってんですか?ありゃあ勇と同じですよ。我が強いだけでスパイなんか出来ゃしませんよ」
ヒギンズ 「そんなに単純な奴かぁ?確かに勇だってコンプレックスの塊だものね・・・」
デッキクルー 「はーい!コモドちゃん良いねぇ、良いですよー。どうぞ!」
デッキクルー 「コモドの野郎ー!」
コモド 「震源地の偵察などハンティングにもならないんだから、オグンに誓うまでもないさ」
アイリーン 「ご覧の通りカナン・ギモスの全身スキャン、メンタルテストからも精神状態は保証できます」
ゲイブリッジ 「直子が心配しているのはカナンの事ではないな・・・?」
直子 「はい、勇はどんなつもりでカナンさんを連れてきたんでしょう?そのほうが気になります」
アノーア 「私にとってはどちらも元リクレイマーです、危険分子にしか見えません。司令の目論見はオルファンの情報を集めるおつもりでしょう?」
ゲイブリッジ 「彼女はオルファンにいる事に疲れたのだ。こちらの戦力になると思うな」
直子 「司令の直感、当たりますものね」
アノーア 「そうですか」
直子 「そうですよ」
ゲイブリッジ 「・・・ご苦労」
アイリーン 「はい」
ラッセ 「ん?何やってんだ、あの二人」
ナンガ 「さぁねぇ。多分勇とカナンのスパイをやってんだよ」
ラッセ 「あの女が年下の坊やを追いかけてきたって話もあるけど?」
ナンガ 「そんな安っぽい女か?」
ラッセ 「そうだな、そういう女じゃない」
ナンガ 「だからスパイしてんだろう?」
カナン 「確かにインターフェイスへのタッチが違うわね」
勇 「オルファンでの感触と外に出てからとでは全く違ったね」
カナン 「反応が早いの?」
勇 「グランチャーとでは反応する感情の色とか深さが違うんだ」
カナン 「感情の色?深さ?」
勇 「喜怒哀楽って言うだろ?そういう色合いっていうのかな、そういうものやその時々のこちらの深いところにある感情、そういったものをピックアップしてくれてその上でこちらの全体の気分を受けてくれるのさ」
カナン 「部分では深く、全体では優しいのね」
勇 「そういう事かな、そうだろうね」
アカリ 「カナンっていう奴が勇を連れ出そうとしたら断固阻止するんだぞ」
クマゾー 「だんこそし!」
勇 「そうやって座っているとさ、気持ち落ち着かない?」
カナン 「頭痛は来ないわ」
勇 「親父達はこの違いを隠していたんだ」
カナン 「オルファンではブレンパワードの特性が殺されていたのよ。アンチボディの個性って・・・」
勇 「ううっ!
何やってんだ?放せ!」
カナン 「あなた達?何意地悪してるの?」
アカリ 「勇はここにいるんだ!」
クマゾー 「だんこそし!」
カナン 「ああ・・・」
勇 「な、なんだよ。引っ張ってくれたって、良いじゃないか!」
カナン 「手伝えないなぁ。こういう所でブレンパワードは活性化したのか、落ち着くわ」
勇 「う・・・うわぁ!」
カナン 「大丈夫?」
勇 「ま、股裂きだ!」
アカリ 「落ちるぅ!」
ナンガ 「やれやれ。昇る時脚立を倒すから」
比瑪 「怪我させたら承知しないから!」
ラッセ 「俺達の出る幕は無い、か」
コモド 「理化研の連中のほうが足が早いなんて」
コモド 「あなた達は誰の許可を得てプレートに触っているの!」
源野 「ノヴィス・ノアの方ね。理化研の依頼でプレートの調査にきた源野三尾です。あたし達が発見したプレートの事で聞きたい事があれば日本政府を通して下さい」
コモド 「このプレートの権利を主張するんですか?」
源野 「いけませんかしら?」
コモド 「あっ!」
源野 「あっ!暴力はいけません!ああっ!」
コモド 「グランチャーが来たわ」
源野 「えっ」
ヒギンズ 「グランチャーの数は?」
ウェッジパイロット 「それどころじゃないみたいだ。ヨルバ教のお助けはなかったのかな」
ヒギンズ 「そんなのあるわけないよ・・・!」
ノヴィスクルーA 「コモド・マハマ離脱出来ます」
ノヴィスクルーB 「救援はいるようです」
ノヴィスクルーA 「ウェッジ・・・合流点へ急げ」
アノーア 「オーガニック・レーダーでも確認出来たのだな?」
副長 「はい。カーテンが下がってましたからチェック出来ました」
勇 「カナンはブレンに慣れるんだ。そこにいな」
カナン 「ありがとう」
勇 「出かけるのか?」
デッキクルー 「ナンガ、ラッセは周辺警戒に当たる」
勇 「なんだってんだよ、ここの奴等・・・!」
比瑪 「ありがとう」
クマゾー 「うん」
勇 「出かけるんだろ?俺にも行かせろ」
比瑪 「あなたは出かけちゃいけないんだよ。捕虜なんでしょ?」
勇 「誰が捕虜だ!」
比瑪 「なら謹慎中の!」
勇 「こんな船のクルーになった憶えはない!」
比瑪 「少しは現実を考えたら?」
勇 「イランド一機でプレート探しに行く?ああっ」
比瑪 「何やってんの?あんた!」
勇 「おまえこそ!楽して子供達を食わせる為に、こんな軍艦の厄介になってさ!」
比瑪 「違うわよ!この船がブレンを必要だっていうから乗ってやってるんじゃない!あんたみたいに女性の気を引く為にブレンに乗ってるんじゃありません!カナン・ギモスだって、変な名前!」
勇 「なんで!カナンの名前が出るんだ!・・・うわっ!」
比瑪 「ホントの事でしょ!?」
勇 「落とすなよー!」
コモド 「ばちが当たったんだ。出撃の時にオグンに頼まなかったばちが当たったんだ!」
源野 「あっ、どうも」
桑原 「い、いやあ。逃げられますか?」
源野 「グランチャーって、ブレンパワードとは違うわ・・・」
桑原 「どうします?」
源野 「知らないわよ!」
コモド 「あんな数?」
(アイキャッチ)
ヒギンズ 「グランチャーが見えた」
ウェッジパイロット 「本当ですか?」
ヒギンズ 「コモドから連絡は?」
ウェッジパイロット 「ノイズだけです」
ヒギンズ 「撃墜されてないわよね・・・」
コモド 「なんであたしにブレンが無いの!?」
ジョナサン 「無闇に撃つんじゃない!あのプレートをヌートリアに運ぶほうが先だろ!」
勇 「ノヴィス・ノアの・・・」
比瑪 「コモド?敵と接触したの?怪我はないのね?」
コモド 「グランチャー7、8機がいる。プレートが一枚じゃないのよ、4枚はあった」
勇 「そんなに出たのか!」
比瑪 「ウェッジ・・・ヒギンズ・サスはどこにいるんです?」
コモド 「北側にいるわ」
勇 「正気か?」
比瑪 「何よ!」
勇 「うあっ!頭を出したらやられるだけだろ。低空で行くんだ、ヒギンズさんだって高度をとるわけないだろ。ああっ!」
比瑪 「そうか!うわっ・・・」
勇 「あっ、うわっうわ・・・・うわあああ!」
比瑪 「ブレン!コモドさん頼みます!」
勇 「くうっ、お落ちるかぁ・・・!くあああ!」
コモド 「ミスター・ユウ、飛び降りて!」
勇 「えっ?はっ?」
コモド 「あなたは比瑪の邪魔をしているわ。早く!」
勇 「そっちへ行ったって・・・うわあああ!」
コモド 「操縦の邪魔をしないで!」
比瑪 「グランチャーが動いている?勇!コモド!」
コモド 「何とかしなさい!」
勇 「何とかったって・・・」
コモド 「ようし、落ちないで」
勇 「落ちるつもりはない!」
ジョナサン 「なんでこんなにプレートが出てきたかは、後で考えれば良い。急げぇ!」
源野 「ああ!」
桑原 「見つかりますよ!」
源野 「あたしの見つけたプレートを持ってっちゃう!」
桑原 「声を出さないで!」
源野 「あたし・・・オルファンに行って研究したいわ!」
桑原 「何馬鹿な事言ってるんです・・・」
源野 「あっちはアンチボディだっていっぱいあるのよ!」
ナンガ 「どうだ?ブレンとは仲良く出来そうか?」
カナン 「基本はグランチャーと同じだけど、神経に直接触ってくるっていう脅迫的感覚はないわ」
ナンガ 「そりゃあ良かった」
カナン 「好きだわ。これ」
ナンガ 「あんたみたいなのが、なんでオルファンに行ったんだ?」
カナン 「えっ?」
ラッセ 「聞かせてくれよ」
カナン 「数十万年前から地球上の生物のエネルギーを溜めて、銀河から銀河へ飛行する・・・想像しただけで素敵でしょ?」
ナンガ 「オルファンはスペースシップなのか?」
カナン 「ん・・・それがオルファンの再生をしようとしているリクレイマーの結論ね」
ラッセ 「うん?そういうものに惹かれたというわけかい?」
カナン 「・・・そうね」
アノーア 「ブレン全員に、出撃」
カナン 「ん?」
ヒギンズ 「海上に支援部隊がいるのね?」
勇 「プレートの数が出たんなら、オルファンから支援部隊が揚がってくる」
ウェッジパイロット 「海上に出るぜ」
ヒギンズ 「グランチャーの動き、今までと違うんじゃない?」
勇 「オルファンの浮上が始まれば、やる事は違ってくるさ」
ヒギンズ 「どう違ってくるの?」
勇 「プレートだっていつリバイバルするかもしれない・・・こいつにはミサイル無いのか!?」
ウェッジパイロット 「そりゃあるさ!」
アノーア 「ナンガ、ラッセが左右について!」
ゲイブリッジ 「様子を見よう。艦長」
アイリーン 「あなたの体力はまだ回復していないんですから、長距離はまだ無理です!」
カナン 「この子を勇に届けるだけです。下がってください」
アイリーン 「ナンガ!ラッセ!カナンを助けてやって!・・・あ?」
アイリーン 「良いわね、ラッセ!」
ラッセ 「了解!彼女から目を離しませんよ!」
ラッセ 「彼女、腕が良いぜ」
ナンガ 「惚れたか?」
ラッセ 「まさか」
アイリーン 「元グランチャーのパイロットか・・・」
カナン 「ううっ!どうしたの?あたしが嫌いなの?・・・嫌ってくれても良いから!」
ラッセ 「どうした?カナンさんのほうの拒否反応か!?」
カナン 「あたしを好きになってくれなくてもいいから、今はふたりで勇のところへ行きましょ!」
ラッセ 「落ち着けるか?」
カナン 「大丈夫、飛べます」
ナンガ 「よーし、カナン・ギモス。勇と比瑪のいるところへ飛ぶぞ」
カナン 「ど、どうぞ。行くわね、君!」
ナンガ 「結構。ではバイタル・グロウブ合わせだ、良いな?」
ラッセ 「来たぞぉ。飛べるってさ!・・・いち、にの、さん!」
比瑪 「ああ、嫌んなっちゃう。プレートは全部海に持っていかれちゃうの?」
比瑪 「ビリっけつの一人を倒せば・・・いけぇー!」
ジョナサン 「動いた?」
ジョナサン 「本気か!?」
ジョナサン 「どこだぁ!?」
比瑪 「全部持っていかせるもんか!」
比瑪 「うおー!!」
ジョナサン 「逃がした!落ちたのはいいからヌートリアとの合流を急げ!」
比瑪 「あたしは馬鹿だ!勇にブレンを持ってこさせれば何とかなったのに!」
コモド 「あたしがいくよ。比瑪が攻撃しな!」
比瑪 「了解!」
ジョナサン 「こいつ!」
ジョナサン 「ぬぅ・・・ぬうううう。な、なんだ?この、げっっそりする感覚は!ううっ」
比瑪 「ううっ、はぁ。・・・来るっ!」
比瑪 「だったらさぁ!狙い撃ちぃ!」
勇 「援護してやれ、あれじゃやられるだけだ!」
ウェッジパイロット 「数がいる!」
ヒギンズ 「プレートが変よ?」
勇 「えっ?」
勇 「リバイバルが始まってるんだ」
ヒギンズ 「ええ?」
勇 「ミサイル、あるんだろ?」
比瑪 「この程度!・・・ううっ」
比瑪 「はぁ!?」
比瑪 「ラッセ!ナンガに・・・勇のブレンも?」
ジョナサン 「プレートをヌートリアに収容させるのが先だ。ブレンがあれだけ集結したとなれば戦い方を考えなければならん!」
比瑪 「勇のブレンって事は、カナン・ギモスが来たの?」
カナン 「はぁはぁはぁ・・・」
ナンガ 「カナン!大丈夫か!」
カナン 「ちょっと疲れた・・・落ち着きたい」
ナンガ 「比瑪、ラッセ、後退するぞ!」
比瑪 「え、ええ、はい」
比瑪 「何さ!あ、あたしだって、あたしだって一杯疲れてるのよ!」
ヌートリア艦長 「プレートの収容作業、急げ!」
ヌートリアクルー 「曳航索出せ!」
ヌートリア艦長 「ドンピシャリの合流!」
ラッセ 「そっちに行こうか?カナンさん?」
カナン 「いや、ありがとう。いきなり長距離をやったから、何か力を吸われちゃって・・・」
ラッセ 「そりゃあそうだろう。飛べただけで大したもんだ。そっちに行かなくって、いいんだな?」
カナン 「ありがとう、本当に・・・ああっ?リバイバルしている?」
ウェッジパイロット 「山一つ向こうからは、グランチャーが襲ってくるんだぞ!」
勇 「リバイバルに立ち会ってやれば、こちらに合わせてくれるのがアンチボディなんだ!」
ヒギンズ 「この光、見た事がある・・・プラハで見たのと同じだ・・・」
プラハ住民A
(回想) 「あれが地震の原因だったのか?」
プラハ住民B
(回想) 「地鳴りはしてたもんなぁ」
ヒギンズ(回想) 「町のシンボルの橋までが落ちた。何なの?」
コモド 「リバイバル・・・?」
勇 「この時間のかかり方、妙だぞ?」
カナン 「リバイバルする?」
勇 「するさ。ブレンパワードにね」
カナン 「えっ?」
カナン 「このアンチボディ・・・」
勇 「一つじゃないぞ・・・!」
ヒギンズ 「どういう事?」
勇 「そ、そりゃあ・・・オーガニックなら双子だって事もあるけど」
コモド 「二人もリバイバルするの?戦いの神オグンが遣わしてくれたの?」
比瑪 「へぇ・・・」
第05話「敵か味方か」←
https://ishikobafuji.diarynote.jp/201106221913073141/
→第07話「拒否反応」
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