ブレンパワード 全台詞集 第07話「拒否反応」
2010年9月14日 ブレンパワード全台詞集脚本:富野由悠季・浅川美也 絵コンテ:斧谷稔 演出:原田奈奈 作画監督:瀬尾康博
比瑪
(ナレーション) 「プレート集めをするグランチャーを追いかけたあたしたちのチームワークは良くなかったなあ。けど、向こうも同じでプレートを落としてってくれた。それがリバイバルしてくれてなんと、双子のブレンが現れたのよ。すごいでしょ?けどグランチャーに似てるんだよねえ」
カナン 「オルファンでも双子の例は無かったのに・・・」
カナン 「ブレン・・・・・あたしのブレンパワードになってくれて?」
ヒギンズ 「うっ!」
勇 「ヒギンズさん、大丈夫ですか?」
ヒギンズ 「な、なんとか。潰されなかったわ・・・」
勇 「良かった・・・カナン、怪我は?」
カナン 「大丈夫、ちょっとおどかされたけど」
勇 「昇るのか?」
カナン 「大丈夫でしょ」
比瑪 「オルファンでもこういう事あったの?双子とか三つ子とかっていうの」
勇 「こんなのは初めてだよ」
比瑪 「あたしの時とは違うようで・・・ん?」
比瑪 「見ている?・・・・・ああ!うふふふっ!」
勇 「大丈夫?体力、吸い取られてる感じなんてない?」
カナン 「それはないわね。産まれたてで初めて会ったのがあたしだったからでしょうね。馴染んでくれてるみたい・・・」
カナン(回想) 「勇。あたしに内緒で何こそこそやってるの?」
勇(回想) 「別に内緒ってわけじゃ・・・」
カナン(回想) 「ブレンパワードタイプの手入れをしていた」
勇(回想) 「手入れってわけじゃないけどさ」
勇(回想) 「こいつが反応してくれたんだよ。それで何とかしてやりたいと思ったんだ」
カナン(回想) 「ブレンパワードにリバイバルした者はすぐに硬化しちゃうんでしょ?」
勇(回想) 「半年前東京で遭ったブレンパワードは動いてたじゃないか!」
カナン(回想) 「オルファンに従わないで一人で勝手に動くアンチボディはブレンパワードになってしまって、パイロットの言う事だって聞かないんでしょ?」
勇(回想) 「オルファンの中では・・・そういう反応だったのさ」
カナン(回想) 「オルファンの中では?」
勇(回想) 「くっ」
カナン(回想) 「よくそんな物持ち出せたわね」
勇(回想) 「試作品、試作品の連続だから数のチェックなんかしてないのさ」
カナン(回想) 「東京であのブレンパワードに遭ってから変だね」
勇(回想) 「カナンは気にならないのか?」
カナン(回想) 「そりゃあ、あの時はショックだったわ」
勇(回想) 「親父やお袋の言っていた事が嘘だったんだ!宇都宮比瑪ってのが動かしてた」
カナン(回想) 「あの後の事は分からないんでしょ?」
勇(回想) 「ノヴィス・ノアのチームがコンタクトした」
カナン(回想) 「アンチボディはマシーンじゃないのよ!何が起こるか分からないのよ!」
勇(回想) 「だから試してんじゃないか!」
カナン 「好きになってくれてるみたいよ、この子」
勇 「そりゃあ良かった。連れ帰れるようにしてやってよ」
カナン 「ええ」
比瑪 「一緒に乗ってあげたら良いじゃない」
勇 「遊んでる暇はないだろ!ジョナサンが来てんだぞ!」
コモド 「あたしが乗れないで、なんでヒギンズとカナンなんだよ・・・・あっ?」
ジョナサン 「敵前の作業だ!急げ!」
エッガ 「ご苦労」
ヌートリア艦長 「エッガ、そいつはリバイバルするのか?」
エッガ 「表面の輝きが違うぜ!・・・おっ」
ヌートリア艦長 「緊急・・・しろ!巻き込まれるぞ!・・・!」
ジョナサン 「始まっちまったのか!?」
ヌートリア艦長 「船がやられるぞ!」
エッガ 「俺が触ってやったから始まったんだ!強い子にリバイバルしれくれぃ!」
ヒギンズ 「文字を学習している?比瑪ちゃんの言う通りだ。あたしの網膜が見ているものを増幅している文字ね。産まれたてで申し訳ないけど、武器は使えるの?」
ヒギンズ 「ごめんねぇ、道具よ。いきなり手足で殴り合うのは痛いんだよ。グランチャーがいるんだ・・・あっ!」
ヒギンズ 「偉い子!カナンさん聞えて?足元に武器があるわ!」
カナン 「えっ?・・・ああ。出来るの?君?」
比瑪 「凄い子達じゃない!偉いよー」
比瑪 「おりこうさん!」
ナンガ 「勇!比瑪!ブレンパワードに乗れ!水平線上に集まっていた敵に動きが出た!」
比瑪 「聞いた君達?君達はヒギンズさんとカナンさんの言う事を聞いてノヴィス・ノアに行ってちょうだい!」
イランドパイロットA 「了解。コモド!双子が産まれたんなら守らなきゃならない!」
イランドパイロットB 「スパイが乗る双子があてになるのか!?」
イランドパイロットA 「今は正面のグランチャーが敵だろう!余計な事は考えるな!」
ナンガ 「当たれぇ!当たれ!」
コモド 「やっぱりだ。敵の動きが遅いから何かあると思ったけど、あの光はリバイバルだ!・・・ああっ!?」
比瑪 「コモド!一人で飛び出してたらやられちゃうでしょ!・・・・うわぁっ!?」
比瑪 「強いからってー!」
比瑪 「あら?斬れちゃった・・・だからってー!」
比瑪 「逃げた!ナンガは?ラッセはどこ?」
ジョナサン 「潰れろってんだよぉ!」
ナンガ 「俺はやられてないぞ!下がるな!」
ジョナサン 「一刀両断!」
ラッセ 「おまえら!俺を忘れていないか!」
ナンガ 「落ちつけ!怖くなんかないぞ、俺が付いてんだ!コモド!どこに行った!?あいつがいれば戦いようがあった!」
比瑪 「ナンガ!」
ナンガ 「うあああ!なんていくじなしだ!うおっ!」
勇 「我侭はさせちゃいけないんだ。ヒギンズ、両手を上げているな?」
ヒギンズ 「やっているけど・・・この子、静かにしてくれない!」
勇 「カナン!どうなの?そっちの感覚は」
カナン 「なんだかとっても嬉しいわ。この子の事解かるみたい」
勇 「なら任せるぞ。離すからな!」
ヒギンズ 「弟が飛んでしまったわ。君、負けてしまうわよ?」
ヒギンズ 「負けるつもりなの?飛ばないで・・・うわっ」
比瑪 「ナンガ!ナンガさんがいない?ナンガ!ナンガさん!もう!」
比瑪 「いやぁーー!!」
比瑪 「ありがとうラッセ!」
ラッセ 「数が減らないんだ。ナンガは?」
比瑪 「コクピットにはいなかった」
ラッセ 「海に落ちたか、くっ!」
勇 「当たった?ヒギンズ、そのブレンを叱れ!武器を使う事を言い聞かせろ、それがパイロットの仕事だ!」
ヒギンズ 「理屈はそうでしょうけど・・・あっ!」
勇 「ヒギンズの言う事を聞かないと怖いんだぞ、と教えるんだ!」
ヒギンズ 「あっ!?憎んでるって、あたしが嫌われてるの?」
勇 「グランチャーだ。ブレンタイプはグランチャーが嫌いなんだ」
ヒギンズ 「グランチャーを嫌う?」
比瑪 「カナンさん飛べたんですか?」
カナン 「ヒギンズさんのほうがコントロールしきれないのよ」
比瑪 「そりゃそうでしょ。あなたはベテランですものね」
カナン 「ん?ナンガさんがいないのね」
比瑪 「見れば分かるでしょ!」
コモド 「ウェッジが出てた?」
ウェッジパイロットA 「あそこでリバイバルをしてるって事はグランチャーが増えるぞ!」
ウェッジパイロットB 「そんな事はさせねぇ!」
ウェッジパイロットA 「ロックオン!」
ウェッジパイロットB 「発射!」
ウェッジパイロットA 「離脱!」
コモド 「助けよオグン!アンチボディはオッスンの女神かもしれないと信じているのだから!」
(アイキャッチ)
エッガ 「船を寄せろ!」
ヌートリア艦長 「敵船が来ている!」
エッガ 「ジョナサンを呼べばいいだろう。リバイバル完了だ!」
ヌートリア艦長 「拳銃をよこせ!敵がくる!」
コモド 「・・・あっ!」
エッガ 「リバイバルしたばかりで済まないが、オルファンを守る為に戦ってくれないか」
エッガ 「え?」
コモド 「うああっ!」
エッガ 「よりによって俺がグランチャーを手に入れようって時に来るたぁ、良い度胸していると誉めたいが・・・手首、折ってやろうか!」
コモド 「ううう!」
エッガ 「このアマぁ!」
コモド 「うああああ!」
ヌートリア船員 「エッガはグランチャーを立ち上がらせろ!女は我々に任せりゃいい!」
エッガ 「任せる。グランチャーの方が大事だ」
コモド 「そのアンチボディはあたしが乗るんだ!うっ!」
エッガ 「オルファンのリクレイマーになるつもりでも、これは俺のグランチャーだ」
コモド 「同じアンチボディならブレンパワードのように!・・・うっ!あたしは使い馴らしてみせる!」
エッガ 「俺のグランチャーよ、貴様はこの世に命を与えられた勇者だ。おまえの兄弟達は母なるオルファンを守る為に戦っている。
しかしな、パイロットに碌な奴がいない。ジョナサンのような野郎ばかりだ・・・・・武器は取れるな、貴様!」
エッガ 「貴様が見たものは俺にも見えるぞ!武器を取ってみせろ!!」
ヌートリア船員 「うおっ!」
エッガ 「取り出せたのか!」
エッガ 「良いぞ!貴様は産まれながらに戦う男の気骨がある!飛んでやれぃ!この戦場のみならず、全てを貴様のものにしろ!!」
ヌートリア艦長 「ようし、ヌートリア急速潜航!プレートを曳航しつつ帰頭する!」
コモド 「あんなやつが使うなんて・・・ん?
あんなに流されてる?・・・うっ!」
比瑪 「ヒギンズ!上へ逃げて・・・うっ!落ちないの!当たらないの!」
ヒギンズ 「助かったわ比瑪」
比瑪 「私が抑えてる間に後退して!」
ヒギンズ 「そうする!」
ジョナサン 「おまえの相手は私がしてやるぅ!」
比瑪 「やられる?」
比瑪 「うおー!」
カナン 「だ、駄目なの?操縦装置が付いていないコクピットでは!?」
勇 「カナン!気を合わせれば良いんだ、どうしたんだ!?」
カナン 「やっているつもりだけど、グランチャーと違う・・・」
勇 「理屈で考えてるんだろう。包んでやれ、愛してやるんだ!」
カナン 「愛してやる?」
勇 「それしかないだろう!」
カナン 「そうだけど・・・落ちないで、君!お兄さんなんでしょ?生まれたばかりで逃げるなんて損なのよ?」
カナン 「いくじなし!」
勇(回想) 「カナン?」
カナン(回想) 「コクピットのアレンジ、巧くいっているの?」
勇(回想) 「ああ」
カナン(回想) 「伊佐未博士達は最近の勇の不調を心配しているわ」
勇(回想) 「グランチャーとの整合性の問題だろ?」
カナン(回想) 「あなた自身の体調は、良いのね?」
勇(回想) 「そりゃあ良いさ。あの人達は俺のことを自分の子供だなんて思っちゃいない。グランチャーの中枢神経としての俺のことしか考えてない」
カナン(回想) 「エンジンがオーガニック的なものなら、博士達の心配は分かるわ」
勇(回想) 「そうだとしても、アンチボディと人間の関係はまだよく分かってないんだぞ」
カナン(回想) 「オルファンという存在が分かってくればグランチャーはオルファンの子供で、あたしたち人間はその二つを繋ぐ神経細胞・・・」
勇(回想) 「オルファンは地球上の生物のエネルギーを全て吸収するものなんだろう!?」
カナン(回想) 「それでいいじゃない?地球を食い尽くした人類のエナジーを全て取り込むのがオルファン。そして、新しい星を目指してオルファンは銀河旅行をする・・・」
勇(回想) 「良いのかよ?それで!」
カナン(回想) 「グランチャーが宇宙でも使えると証明されれば、オルファンのシステムというのはそういうものなの」
勇(回想) 「オルファンの・・・システム?」
カナン(回想) 「生物エンジンで星の光までエネルギーに変えられるオルファン」
カナン(回想) 「あたし達はそのオルファンのシステムに人類の遺伝子を伝える。そうすれば・・・!」
勇(回想) 「オルファンの完全なアンチボディ。つまり、その・・・抗体になるってことだぞ」
カナン(回想) 「そうなれば、グランチャーに乗っても苦しくはないわ」
勇(回想) 「こいつは辛くないよ」
カナン(回想) 「勇がブレンパワードの抗体になったっていうこと?」
勇(回想) 「違うんだよカナン。こいつはそういうんじゃないんだ。俺の意思とこいつの意思があって・・・」
カナン(回想) 「グランチャーだって・・・」
勇(回想) 「グランチャーにはこっちが合わせていかなければならないじゃないか。ブレンは全然違うよ」
カナン(回想) 「どう・・・違うのよ」
勇(回想) 「グランチャーには吸い込まれていくという感覚があるけど、ブレンはそうじゃない。それは全然違う事だよ!」
カナン(回想) 「ふうん・・・そう」
カナン 「どうなの?君?あたしは君と一緒にいられる女ではないの?」
勇 「カナン!後退してくれ!」
カナン 「この子、怖がっている。体が動かないみたい・・・はっ!下から!?避けなさい!」
勇 「良いぞ!そのまま陸地に隠れろ!」
カナン 「どうするの?君!・・・はっ!敵が来る!?」
カナン 「まだ後方にグランチャーがいた?」
勇 「なんだ?あれは違うぞ!カナン!避けろ!」
エッガ 「ははははっ!こいつは俺の思う通りに動いてくれる。アンチボディの出来損ないなんぞ、このエッガ・グランチャーで叩き落してやる!」
勇 「グランチャー乗りというやつは産まれたばかりのものにまで闘争心を植え付ける!あの艶やかな肌はリバイバルしたばかりの赤ん坊だ!」
比瑪 「そんなの怖くないんだから!・・・はっ!」
勇 「比瑪はヒギンズ達と後退しろ!」
ジョナサン 「エッガ!リバイバルさせたものをすぐに戦場に投入するな!混乱する!」
エッガ 「舐めてもらっちゃあ困りますぜジョナサン・グレーン。こいつはとってもよく俺の言う事を聞く」
勇 「伸びた?」
コモド 「ああーっ!」
エッガ 「どけよ!ジョナサン!裏切り者などこれで串刺しにしてやる!覚悟!勇!」
ラッセ 「チャクラブレードの直撃だと?あのグランチャー、何だ!?」
勇 「あいつ・・・もつのか?」
ジョナサン 「エッガ!しっかりとコントロールしろ!敵はブレンパワードだ!」
エッガ 「裏切り者めぇ!親を裏切るガキなどは!親不孝以下だろう!」
カナン 「チャクラの光が爪になっている?」
ヒギンズ 「カナン、あんなやつどうすればいいの?」
カナン 「この子達が知っているわ。だから、このポジションについたのよ!」
ヒギンズ 「そうなの君達?」
エッガ 「はははは!死ねよ!壊れちまえよ!裏切り者なんぞはいなくなっちまえー!」
エッガ 「どうしたよ!俺のグランチャー!力があるんだろう!?貴様はジョナサンに負けないだけの力を持っているんだろぉー!そう言ったじゃないかー!」
エッガ 「おまえは俺と一緒にあいつらを潰してオルファンを・・・ぐおっ!!」
勇 「あんな現象なんて!・・・ジョナサン!」
ジョナサン 「勇!」
勇 「ジョナサン・グレーン!姉さんと親父とお袋に伝えるんだ!オルファンに従う事は絶対に正義じゃない!オルファンで人類を抹殺する事も、地球を死の星にする事も、絶対にさせない!」
ジョナサン 「勇!!」
勇 「今言ったことを伝えるんだ!行け!」
ジョナサン 「ぐわああああ!ゆ、勇めぇー!」
勇 「伝えろ!そのために狙撃はしない!」
ジョナサン 「ゆ、勇は、俺をメッセンジャー・ボーイにしたのか!そのために見逃してくれたというのか!あやつは!」
ナンガ 「はぁ・・・はぁ・・・」
コモド 「命ある限り戦うと誓ったのに、生き残るなんてさ・・・オグンはあたしを見放しちまったんだ・・・!」
ナンガ 「泣くなよ。おまえの神様は見放したりしないさ。だから生き残ったんだよ」
コモド 「うっ・・・くっ・・・」
ナンガ 「可愛いやつだな」
カナン 「これがノヴィス・ノアのクルーか。そして、これが双子のブレンパワード。彼等に比べたらまだ赤ちゃんかなぁ?」
ヒギンズ 「グランチャーの雲、まだあるわ。パイロットはどうなっちゃったんだろう・・・」
第06話「ダブル・リバイバル」←
https://ishikobafuji.diarynote.jp/201008132238495308/
→第08話「寄港地で」
https://ishikobafuji.diarynote.jp/201009152329005868/
比瑪
(ナレーション) 「プレート集めをするグランチャーを追いかけたあたしたちのチームワークは良くなかったなあ。けど、向こうも同じでプレートを落としてってくれた。それがリバイバルしてくれてなんと、双子のブレンが現れたのよ。すごいでしょ?けどグランチャーに似てるんだよねえ」
カナン 「オルファンでも双子の例は無かったのに・・・」
カナン 「ブレン・・・・・あたしのブレンパワードになってくれて?」
ヒギンズ 「うっ!」
勇 「ヒギンズさん、大丈夫ですか?」
ヒギンズ 「な、なんとか。潰されなかったわ・・・」
勇 「良かった・・・カナン、怪我は?」
カナン 「大丈夫、ちょっとおどかされたけど」
勇 「昇るのか?」
カナン 「大丈夫でしょ」
比瑪 「オルファンでもこういう事あったの?双子とか三つ子とかっていうの」
勇 「こんなのは初めてだよ」
比瑪 「あたしの時とは違うようで・・・ん?」
比瑪 「見ている?・・・・・ああ!うふふふっ!」
勇 「大丈夫?体力、吸い取られてる感じなんてない?」
カナン 「それはないわね。産まれたてで初めて会ったのがあたしだったからでしょうね。馴染んでくれてるみたい・・・」
カナン(回想) 「勇。あたしに内緒で何こそこそやってるの?」
勇(回想) 「別に内緒ってわけじゃ・・・」
カナン(回想) 「ブレンパワードタイプの手入れをしていた」
勇(回想) 「手入れってわけじゃないけどさ」
勇(回想) 「こいつが反応してくれたんだよ。それで何とかしてやりたいと思ったんだ」
カナン(回想) 「ブレンパワードにリバイバルした者はすぐに硬化しちゃうんでしょ?」
勇(回想) 「半年前東京で遭ったブレンパワードは動いてたじゃないか!」
カナン(回想) 「オルファンに従わないで一人で勝手に動くアンチボディはブレンパワードになってしまって、パイロットの言う事だって聞かないんでしょ?」
勇(回想) 「オルファンの中では・・・そういう反応だったのさ」
カナン(回想) 「オルファンの中では?」
勇(回想) 「くっ」
カナン(回想) 「よくそんな物持ち出せたわね」
勇(回想) 「試作品、試作品の連続だから数のチェックなんかしてないのさ」
カナン(回想) 「東京であのブレンパワードに遭ってから変だね」
勇(回想) 「カナンは気にならないのか?」
カナン(回想) 「そりゃあ、あの時はショックだったわ」
勇(回想) 「親父やお袋の言っていた事が嘘だったんだ!宇都宮比瑪ってのが動かしてた」
カナン(回想) 「あの後の事は分からないんでしょ?」
勇(回想) 「ノヴィス・ノアのチームがコンタクトした」
カナン(回想) 「アンチボディはマシーンじゃないのよ!何が起こるか分からないのよ!」
勇(回想) 「だから試してんじゃないか!」
カナン 「好きになってくれてるみたいよ、この子」
勇 「そりゃあ良かった。連れ帰れるようにしてやってよ」
カナン 「ええ」
比瑪 「一緒に乗ってあげたら良いじゃない」
勇 「遊んでる暇はないだろ!ジョナサンが来てんだぞ!」
コモド 「あたしが乗れないで、なんでヒギンズとカナンなんだよ・・・・あっ?」
ジョナサン 「敵前の作業だ!急げ!」
エッガ 「ご苦労」
ヌートリア艦長 「エッガ、そいつはリバイバルするのか?」
エッガ 「表面の輝きが違うぜ!・・・おっ」
ヌートリア艦長 「緊急・・・しろ!巻き込まれるぞ!・・・!」
ジョナサン 「始まっちまったのか!?」
ヌートリア艦長 「船がやられるぞ!」
エッガ 「俺が触ってやったから始まったんだ!強い子にリバイバルしれくれぃ!」
ヒギンズ 「文字を学習している?比瑪ちゃんの言う通りだ。あたしの網膜が見ているものを増幅している文字ね。産まれたてで申し訳ないけど、武器は使えるの?」
ヒギンズ 「ごめんねぇ、道具よ。いきなり手足で殴り合うのは痛いんだよ。グランチャーがいるんだ・・・あっ!」
ヒギンズ 「偉い子!カナンさん聞えて?足元に武器があるわ!」
カナン 「えっ?・・・ああ。出来るの?君?」
比瑪 「凄い子達じゃない!偉いよー」
比瑪 「おりこうさん!」
ナンガ 「勇!比瑪!ブレンパワードに乗れ!水平線上に集まっていた敵に動きが出た!」
比瑪 「聞いた君達?君達はヒギンズさんとカナンさんの言う事を聞いてノヴィス・ノアに行ってちょうだい!」
イランドパイロットA 「了解。コモド!双子が産まれたんなら守らなきゃならない!」
イランドパイロットB 「スパイが乗る双子があてになるのか!?」
イランドパイロットA 「今は正面のグランチャーが敵だろう!余計な事は考えるな!」
ナンガ 「当たれぇ!当たれ!」
コモド 「やっぱりだ。敵の動きが遅いから何かあると思ったけど、あの光はリバイバルだ!・・・ああっ!?」
比瑪 「コモド!一人で飛び出してたらやられちゃうでしょ!・・・・うわぁっ!?」
比瑪 「強いからってー!」
比瑪 「あら?斬れちゃった・・・だからってー!」
比瑪 「逃げた!ナンガは?ラッセはどこ?」
ジョナサン 「潰れろってんだよぉ!」
ナンガ 「俺はやられてないぞ!下がるな!」
ジョナサン 「一刀両断!」
ラッセ 「おまえら!俺を忘れていないか!」
ナンガ 「落ちつけ!怖くなんかないぞ、俺が付いてんだ!コモド!どこに行った!?あいつがいれば戦いようがあった!」
比瑪 「ナンガ!」
ナンガ 「うあああ!なんていくじなしだ!うおっ!」
勇 「我侭はさせちゃいけないんだ。ヒギンズ、両手を上げているな?」
ヒギンズ 「やっているけど・・・この子、静かにしてくれない!」
勇 「カナン!どうなの?そっちの感覚は」
カナン 「なんだかとっても嬉しいわ。この子の事解かるみたい」
勇 「なら任せるぞ。離すからな!」
ヒギンズ 「弟が飛んでしまったわ。君、負けてしまうわよ?」
ヒギンズ 「負けるつもりなの?飛ばないで・・・うわっ」
比瑪 「ナンガ!ナンガさんがいない?ナンガ!ナンガさん!もう!」
比瑪 「いやぁーー!!」
比瑪 「ありがとうラッセ!」
ラッセ 「数が減らないんだ。ナンガは?」
比瑪 「コクピットにはいなかった」
ラッセ 「海に落ちたか、くっ!」
勇 「当たった?ヒギンズ、そのブレンを叱れ!武器を使う事を言い聞かせろ、それがパイロットの仕事だ!」
ヒギンズ 「理屈はそうでしょうけど・・・あっ!」
勇 「ヒギンズの言う事を聞かないと怖いんだぞ、と教えるんだ!」
ヒギンズ 「あっ!?憎んでるって、あたしが嫌われてるの?」
勇 「グランチャーだ。ブレンタイプはグランチャーが嫌いなんだ」
ヒギンズ 「グランチャーを嫌う?」
比瑪 「カナンさん飛べたんですか?」
カナン 「ヒギンズさんのほうがコントロールしきれないのよ」
比瑪 「そりゃそうでしょ。あなたはベテランですものね」
カナン 「ん?ナンガさんがいないのね」
比瑪 「見れば分かるでしょ!」
コモド 「ウェッジが出てた?」
ウェッジパイロットA 「あそこでリバイバルをしてるって事はグランチャーが増えるぞ!」
ウェッジパイロットB 「そんな事はさせねぇ!」
ウェッジパイロットA 「ロックオン!」
ウェッジパイロットB 「発射!」
ウェッジパイロットA 「離脱!」
コモド 「助けよオグン!アンチボディはオッスンの女神かもしれないと信じているのだから!」
(アイキャッチ)
エッガ 「船を寄せろ!」
ヌートリア艦長 「敵船が来ている!」
エッガ 「ジョナサンを呼べばいいだろう。リバイバル完了だ!」
ヌートリア艦長 「拳銃をよこせ!敵がくる!」
コモド 「・・・あっ!」
エッガ 「リバイバルしたばかりで済まないが、オルファンを守る為に戦ってくれないか」
エッガ 「え?」
コモド 「うああっ!」
エッガ 「よりによって俺がグランチャーを手に入れようって時に来るたぁ、良い度胸していると誉めたいが・・・手首、折ってやろうか!」
コモド 「ううう!」
エッガ 「このアマぁ!」
コモド 「うああああ!」
ヌートリア船員 「エッガはグランチャーを立ち上がらせろ!女は我々に任せりゃいい!」
エッガ 「任せる。グランチャーの方が大事だ」
コモド 「そのアンチボディはあたしが乗るんだ!うっ!」
エッガ 「オルファンのリクレイマーになるつもりでも、これは俺のグランチャーだ」
コモド 「同じアンチボディならブレンパワードのように!・・・うっ!あたしは使い馴らしてみせる!」
エッガ 「俺のグランチャーよ、貴様はこの世に命を与えられた勇者だ。おまえの兄弟達は母なるオルファンを守る為に戦っている。
しかしな、パイロットに碌な奴がいない。ジョナサンのような野郎ばかりだ・・・・・武器は取れるな、貴様!」
エッガ 「貴様が見たものは俺にも見えるぞ!武器を取ってみせろ!!」
ヌートリア船員 「うおっ!」
エッガ 「取り出せたのか!」
エッガ 「良いぞ!貴様は産まれながらに戦う男の気骨がある!飛んでやれぃ!この戦場のみならず、全てを貴様のものにしろ!!」
ヌートリア艦長 「ようし、ヌートリア急速潜航!プレートを曳航しつつ帰頭する!」
コモド 「あんなやつが使うなんて・・・ん?
あんなに流されてる?・・・うっ!」
比瑪 「ヒギンズ!上へ逃げて・・・うっ!落ちないの!当たらないの!」
ヒギンズ 「助かったわ比瑪」
比瑪 「私が抑えてる間に後退して!」
ヒギンズ 「そうする!」
ジョナサン 「おまえの相手は私がしてやるぅ!」
比瑪 「やられる?」
比瑪 「うおー!」
カナン 「だ、駄目なの?操縦装置が付いていないコクピットでは!?」
勇 「カナン!気を合わせれば良いんだ、どうしたんだ!?」
カナン 「やっているつもりだけど、グランチャーと違う・・・」
勇 「理屈で考えてるんだろう。包んでやれ、愛してやるんだ!」
カナン 「愛してやる?」
勇 「それしかないだろう!」
カナン 「そうだけど・・・落ちないで、君!お兄さんなんでしょ?生まれたばかりで逃げるなんて損なのよ?」
カナン 「いくじなし!」
勇(回想) 「カナン?」
カナン(回想) 「コクピットのアレンジ、巧くいっているの?」
勇(回想) 「ああ」
カナン(回想) 「伊佐未博士達は最近の勇の不調を心配しているわ」
勇(回想) 「グランチャーとの整合性の問題だろ?」
カナン(回想) 「あなた自身の体調は、良いのね?」
勇(回想) 「そりゃあ良いさ。あの人達は俺のことを自分の子供だなんて思っちゃいない。グランチャーの中枢神経としての俺のことしか考えてない」
カナン(回想) 「エンジンがオーガニック的なものなら、博士達の心配は分かるわ」
勇(回想) 「そうだとしても、アンチボディと人間の関係はまだよく分かってないんだぞ」
カナン(回想) 「オルファンという存在が分かってくればグランチャーはオルファンの子供で、あたしたち人間はその二つを繋ぐ神経細胞・・・」
勇(回想) 「オルファンは地球上の生物のエネルギーを全て吸収するものなんだろう!?」
カナン(回想) 「それでいいじゃない?地球を食い尽くした人類のエナジーを全て取り込むのがオルファン。そして、新しい星を目指してオルファンは銀河旅行をする・・・」
勇(回想) 「良いのかよ?それで!」
カナン(回想) 「グランチャーが宇宙でも使えると証明されれば、オルファンのシステムというのはそういうものなの」
勇(回想) 「オルファンの・・・システム?」
カナン(回想) 「生物エンジンで星の光までエネルギーに変えられるオルファン」
カナン(回想) 「あたし達はそのオルファンのシステムに人類の遺伝子を伝える。そうすれば・・・!」
勇(回想) 「オルファンの完全なアンチボディ。つまり、その・・・抗体になるってことだぞ」
カナン(回想) 「そうなれば、グランチャーに乗っても苦しくはないわ」
勇(回想) 「こいつは辛くないよ」
カナン(回想) 「勇がブレンパワードの抗体になったっていうこと?」
勇(回想) 「違うんだよカナン。こいつはそういうんじゃないんだ。俺の意思とこいつの意思があって・・・」
カナン(回想) 「グランチャーだって・・・」
勇(回想) 「グランチャーにはこっちが合わせていかなければならないじゃないか。ブレンは全然違うよ」
カナン(回想) 「どう・・・違うのよ」
勇(回想) 「グランチャーには吸い込まれていくという感覚があるけど、ブレンはそうじゃない。それは全然違う事だよ!」
カナン(回想) 「ふうん・・・そう」
カナン 「どうなの?君?あたしは君と一緒にいられる女ではないの?」
勇 「カナン!後退してくれ!」
カナン 「この子、怖がっている。体が動かないみたい・・・はっ!下から!?避けなさい!」
勇 「良いぞ!そのまま陸地に隠れろ!」
カナン 「どうするの?君!・・・はっ!敵が来る!?」
カナン 「まだ後方にグランチャーがいた?」
勇 「なんだ?あれは違うぞ!カナン!避けろ!」
エッガ 「ははははっ!こいつは俺の思う通りに動いてくれる。アンチボディの出来損ないなんぞ、このエッガ・グランチャーで叩き落してやる!」
勇 「グランチャー乗りというやつは産まれたばかりのものにまで闘争心を植え付ける!あの艶やかな肌はリバイバルしたばかりの赤ん坊だ!」
比瑪 「そんなの怖くないんだから!・・・はっ!」
勇 「比瑪はヒギンズ達と後退しろ!」
ジョナサン 「エッガ!リバイバルさせたものをすぐに戦場に投入するな!混乱する!」
エッガ 「舐めてもらっちゃあ困りますぜジョナサン・グレーン。こいつはとってもよく俺の言う事を聞く」
勇 「伸びた?」
コモド 「ああーっ!」
エッガ 「どけよ!ジョナサン!裏切り者などこれで串刺しにしてやる!覚悟!勇!」
ラッセ 「チャクラブレードの直撃だと?あのグランチャー、何だ!?」
勇 「あいつ・・・もつのか?」
ジョナサン 「エッガ!しっかりとコントロールしろ!敵はブレンパワードだ!」
エッガ 「裏切り者めぇ!親を裏切るガキなどは!親不孝以下だろう!」
カナン 「チャクラの光が爪になっている?」
ヒギンズ 「カナン、あんなやつどうすればいいの?」
カナン 「この子達が知っているわ。だから、このポジションについたのよ!」
ヒギンズ 「そうなの君達?」
エッガ 「はははは!死ねよ!壊れちまえよ!裏切り者なんぞはいなくなっちまえー!」
エッガ 「どうしたよ!俺のグランチャー!力があるんだろう!?貴様はジョナサンに負けないだけの力を持っているんだろぉー!そう言ったじゃないかー!」
エッガ 「おまえは俺と一緒にあいつらを潰してオルファンを・・・ぐおっ!!」
勇 「あんな現象なんて!・・・ジョナサン!」
ジョナサン 「勇!」
勇 「ジョナサン・グレーン!姉さんと親父とお袋に伝えるんだ!オルファンに従う事は絶対に正義じゃない!オルファンで人類を抹殺する事も、地球を死の星にする事も、絶対にさせない!」
ジョナサン 「勇!!」
勇 「今言ったことを伝えるんだ!行け!」
ジョナサン 「ぐわああああ!ゆ、勇めぇー!」
勇 「伝えろ!そのために狙撃はしない!」
ジョナサン 「ゆ、勇は、俺をメッセンジャー・ボーイにしたのか!そのために見逃してくれたというのか!あやつは!」
ナンガ 「はぁ・・・はぁ・・・」
コモド 「命ある限り戦うと誓ったのに、生き残るなんてさ・・・オグンはあたしを見放しちまったんだ・・・!」
ナンガ 「泣くなよ。おまえの神様は見放したりしないさ。だから生き残ったんだよ」
コモド 「うっ・・・くっ・・・」
ナンガ 「可愛いやつだな」
カナン 「これがノヴィス・ノアのクルーか。そして、これが双子のブレンパワード。彼等に比べたらまだ赤ちゃんかなぁ?」
ヒギンズ 「グランチャーの雲、まだあるわ。パイロットはどうなっちゃったんだろう・・・」
第06話「ダブル・リバイバル」←
https://ishikobafuji.diarynote.jp/201008132238495308/
→第08話「寄港地で」
https://ishikobafuji.diarynote.jp/201009152329005868/
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