ブレンパワード 全台詞集 第11話「姉と弟」
2011年8月29日 ブレンパワード全台詞集脚本:面出明美 絵コンテ・演出:西森章 作画監督:しんぼたくろう・中田栄治
比瑪
(ナレーション) 「そりゃ、アノーア艦長が息子さんのことで悩んでいたからってその事と行方不明になった事とは関係がない。あたしが出会ったのと質が違うプレートは回収したほうがいいって艦長は判断したのよ。それが冷静さを失わせて、プレートにのみ込まれた。とっても残念・・・」
カント 「想像していた通りの規模だけど計算通りの出力が出たら、どうなるのかなあ?」
ノヴィスクルー(※) 「結局見つからなかったって?」
ノヴィスクルー 「そりゃあそうだろ。プレートのスピード、なまじじゃねえもん」
ラッセ 「ナンガ!いいのか?」
ナンガ 「オグンの御加護のおかげだね」
ラッセ 「新しい艦長の噂は聞いてるのか?」
ナンガ 「キメリエスのレイトが昇格するんだろう?」
ヒギンズ 「何も聞いてない。レイト艦長は潜水艦が好きだから」
ゲイブリッジ 「待たせて申し訳なかった。アノーア艦長の捜索は続けなければならないが、我々の任務は急を要している。ここで緊急対策として、新任の艦長を認めて頂きたい」
ノヴィスクルー 「新任の艦長?」
ノヴィスクルー 「誰が艦長になったんだ」
ノヴィスクルー 「レイトじゃないのか?」
副長 「静かに!アイリーン・キャリアーは士官学校でも優秀だった。その上医師と針の免許を持ち、我々は彼女にケツの穴まで見られている現実がある」
ノヴィスクルー 「ハッハッハ!」
ノヴィスクルー 「反対できねぇってことかあ」
ノヴィスクルー 「賛成だい!」
ノヴィスクルー 「オーガニック・シップにお医者さんがベスト!」
ユキオ 「当然、当然!」
クマゾー 「当然!」
アカリ 「賛成!」
カナン 「何ていう船?こんな人選」
勇 「全く、みんなで何を考えてんだか」
比瑪 「何が気に入らないのさ?」
勇 「別に。感動してんだよ、民主主義に」
ゲイブリッジ 「満場一致という事で、君に艦長をやってもらう」
アイリーン 「はい、では只今よりアイリーン・キャリアーがノヴィス・ノアの艦長を代行させてもらいます。本艦はオルファン対策会議の間、機関整備と補給を警戒体勢のまま行います!各員部署へ戻ってください!」
ノヴィスクルー 「よしかかれ!働け働けー!」
ノヴィスクルー 「お手柔らかにね」
アイリーン 「こちらこそ」
ナンガ 「病室で教えてくれたって良かったのにさ」
アイリーン 「だって今日いきなりだったのよ」
勇 「あんた、それでいいのかよ?」
アイリーン 「こんな時でしょ?やります」
比瑪 「勇?」
アイリーン 「勇は優しいわ、私が重荷を背負わされたと思っているのよ」
比瑪 「あいつ、そういうとこ敏感なんです」
アイリーン 「ありがたいわ」
アイリーン 「でも敏感過ぎるのはよくないわね、グランチャーに乗っていた事にいつまでも罪悪感を持っているから」
アイリーン 「慰めてあげられない?」
比瑪 「私が?」
源野 「あら?」
軍人 「ブレンパワードだ。本当に飛んでるぞ」
勇 「ブレンが恥ずかしがってる。さっさと行けよ」
源野 「フフフ、坊やは相変わらず。ブレンパワードは相変わらず素敵に雄々しいわ」
クマゾー 「比瑪姉ちゃん!」
アカリ 「綺麗な花よ」
ユキオ 「あんまり見ない花なんだ」
比瑪 「本当!」
クマゾー 「きれい!」
比瑪 「そうだね。蘭でしょうね、これ」
ユキオ 「でも葉っぱが違うよ?」
アカリ 「ほうら、ヒメ・ブレン見えるでしょ?綺麗な花。ユウ・ブレンも見なさい、綺麗だろ?」
勇 「へえ」
アカリ 「なっ?」
勇 「綺麗だな」
アカリ 「あげるっ」
カント 「植物は強いですよね。地球が汚れてしまっても花を咲かせる。強さと美しさで人の心を慰めてくれる」
カント 「カント・ケストナーです。想像通り優しい姿に嬉しくなりました、ブレン」
勇 「なんでおまえみたいのが、こんな所にいるんだ?」
カント 「こんな所へ?変な聞き方しますね」
勇 「だってお前、外国帰りだろ?」
カント 「何でわかるんですか?」
勇 「俺もそうだからさ」
カント 「・・・あ!あ、すいません行かなくっちゃ」
比瑪 「誰?」
勇 「どなたでしょうね」
源野 「今日の発表はリクレイマーに負けあちゃいません」
桑原 「私は彼らと理論闘争をしようとは思っていない」
源野 「あら?博士は伊佐未博士への当て付けでオーガニック・エンジンを開発したんじゃないんですか?」
桑原 「違うよ・・・」
源野 「失礼、あっ・・・」
桑原 「あいつは?」
研作 「久しぶりだな桑原」
桑原 「き、貴様こそ、日の光に当たっている顔をして」
研作 「オルファンはそのくらいのものは完備しているさ。時給自足しているんだからね」
クインシィ 「発信準備、できているな?指名された者は揃っているな?」
翠 「待ちなさい!あなたの考えている出撃は軽率です!」
クインシィ 「ドクター達の独断的行動のおかげでオルファンに危機を呼ぶかもしれないのだ」
翠 「ブレンパワードの性能は私達が思っていた以上だった。あの人はそれを確かめに行ったのです!」
クインシィ 「何も自分が行くことはない」
翠 「心配しなくてもお父様は・・・」
クインシィ 「心配なのはあの人の頭脳がノヴィス・ノア側に利用される事だ!」
翠 「そんな事はありえません!」
クインシィ 「お前達はオルファンの循環器の整備をすればいい!」
翠 「クインシィ・イッサー!まるで・・・まるで、軍隊気取り」
クインシィ 「オルファンが輝きを増している。銀河を夢見ているんだ・・・」
クインシィ 「うっ・・・あぁ・・・太陽か!ははははっ!久しぶりに海の上に出た!
本当に綺麗、勇にも見せてあげたいなあ。あの子ったらどこに行ったのかしら・・・?しょうがない子だ、ちっともじっとしてないでいつも心配ばかり掛けて・・・」
桑原 「オルファンが海面に浮上する際の津波の被害は既に述べた通り、甚大な物になりますが、本当の危機は海面から宇宙に飛び立つ時でありまして、膨大なオーガニック・エナジーが地球から失われるという事です。それを定数化したものが、これです。」
出席者(※) 「悲観的過ぎないか?」
出席者 「なんて数字だ」
桑原 「シダ類以下の菌類は生き残りますが、生き物らしいものは全滅するでしょう」
出席者 「全滅だって!?」
出席者 「ノヴィス・ノアはそれをさせないための船なんだろう!」
桑原 「ノヴィス・ノアは3隻の随伴艦と行動を共にしております。各艦にはプレートが搭載されておりますので、それらをオルファンを囲む位置に配置しましてオーガニック・エンジンとプレートを共振させ、更にバイタル・グロウブのオーガニック・エナジーとも共振させオルファンのオーガニック・エナジーを宇宙に放出させます。そうすればオルファンは沈静化します」
研作 「エネルギーが放散されるだと?」
桑原 「この予測について私以上にオーガニック・エナジーについて詳しい伊佐未研作博士の見解を伺いたいのです。どうか」
研作 「オルファンは止まるかもしれないな」
桑原 「はい、プレートについての・・・」
警備員(※) 「止まれ!」
勇 「奴はリクレイマーだぞ!」
警備員 「子供の来る所じゃない!」
警備員 「会議場で・・・!」
勇 「俺は直接関係者なんだ!」
警備員 「豚箱に入れる!」
桑原 「失礼しました、では伊佐未博士御願いします」
出席者 「オルファンのアンチボディ!」
出席者 「ははは」
研作 「まず最初にお伝えしたいのは、オルファンの制御は不可能ではないという事です」
勇 「親父の言うことなんて嘘だ!」
警備員 「いい加減にしろ!」
ゲイブリッジ 「離してくれないか!」
アイリーン 「彼はノヴィス・ノアのクルーでブレンパワードに乗っている少年です!」
警備員 「はっ、はあ・・・」
勇 「なんで親父に話させる!」
アイリーン 「彼は研究員として正規のルートでこの会議に出席しているのよ」
勇 「だからって・・・」
ゲイブリッジ 「現実を認めるんだな。ノヴィス・ノアの建造費を出している者の中にもリクレイマーに支援をしている者もいるのだ」
勇 「自分達だけが助かりたくてオルファンに乗せてもらいたがってる連中の事か」
アイリーン 「そういう人達を怒らせたらノヴィス・ノアは動かなくなるわ」
勇 「何てことだ・・・それが現実だって?」
ゲイブリッジ 「そうなんだよ勇君」
研作 「植物の光合成とオーガニック・エナジーの繋がりについては未だに・・・」
出席者 「貴様は!グランチャーの動きはどう説明するんだ!」
出席者 「勝手にプレートを集め回って各地で事を起こしている!」
桑原 「そうです。博士はアンチボディについては一切触れていませんでした。その点・・・」
研作 「花・・・蘭の花か?」
カント 「博士は光合成について正確に説明なさってはいませんでしたか?」
研作 「そ、そうだったか?」
桑原 「光合成の関係?」
カント 「はい。植物も生物だと・・・」
勇 「あいつ、なんだってんだ?」
(アイキャッチ)
カント 「オルファンの現象は生命体全ての問題ですから、グランチャー現象は些末な問題です。無視して宜しいでしょう。このバイタル・グロウブのネットは・・・」
カント 「地球を覆うオーガニック・エナジーの流れを示しています」
勇 「何者なの?」
アイリーン 「カント・ケストナー。10歳で博士号を取った神童」
カント 「近年植物の繁茂の著しい地域です。これにバイタル・グロウブのラインを重ねます。・・・というわけです。つまりオルファンと植物に・・・」
カント 「活性化の関係があると知ったのです」
勇 「だからなんだっての」
アイリーン 「良い感をしている子よ」
ゲイブリッジ 「ん?」
カント 「蘭の花はその代表的なものです。僕はこの事実を知った時とても感動しました。人類が汚してきた地球は・・・」
カント 「まだ人類に絶望せずに地球の生態系を救う術を与えてくれていたと。この植物の活性化現象は、世界各地のプレートの出現場所とバイタル・グロウブのネットと重なる所で起こっております。つまりオーガニック・エナジーの飽和が起こっているのです」
勇 「植物との関係か」
カント 「この現象の意味するところは・・・」
カント 「植物の光合成とオルファンの働きには繋がりがあるという事です。この点は伊佐未博士と意見が似ています。けど、博士の意見は嘘です」
桑原 「ん?」
カント 「オルファンのエネルギー総量は太陽みたいなものですから人間にコントロールできません」
桑原 「ノヴィス・ノアのエンジンは工学的に集積力を持っている」
カント 「でも、オーガニック的な物の考え方だとオルファンは生物ですよね?」
桑原 「そ、そうだが・・・」
カント 「生物の根本的な作用は対生成です。プラス・マイナス。雄と雌。陰陽の二元論に根差しています」
研作 「だから少年、私はオルファンの存在に拮抗する存在としてビー・プレートを仮定したのだ」
カント 「オルファンが雄なら雌に相当するものがある。卓見でいらっしゃいますが、そのようなものが見つけられない限りオルファンは銀河系外にそれを求めるでしょう」
ユキオ 「そうなのか。この辺のも外国から入ってきた花が多いのか?」
カント 「港町の宿命だね。在来種の方が少ない」
クマゾー 「綺麗!これ綺麗!光ってる!」
カント 「こんな所にまで!オンシジウムの変種が咲いているのか」
アカリ 「光ってるように見えないか?」
ユキオ 「あん?」
カント 「こうしたらどう見える?」
クマゾー
アカリ 「へ?」
ユキオ 「へええ」
クマゾー 「うわあぁ」
カント 「という事は、この辺りもバイタル・グロウブの境界線に当たるのかな?」
政治家 「ははっ、想像するのと見るのとは大違いですな。20万ドルとか?」
ラッセ 「天才少年の出現は面白かったけど、面白がっちゃいられないという面もあるよな」
カナン 「オーガニック・エナジーが数量的に計測できるようになったのは最近ですものね」
ラッセ 「ああ、しかしデータよりこうやって付き合ってくれるブレン達を見りゃあ・・・ううっ・・・」
カナン 「どうしたの?ラッセ」
ラッセ 「ん・・・ああ、あいつらの毒気に当てられたのさ」
カナン 「え?ああ・・・」
研作 「ここのブレンは生き生きしている。まるでノヴィス・ノアそのものがビ・ープレートとも思える」
研作 「母さんが心配しているぞ」
勇 「どこにそんな奴がいる!」
研作 「ん・・・」
比瑪 「あれが勇のお父さん?」
ノヴィスクルー 「アンチボディ!5つです!間違いありません!」
アイリーン 「只今本艦に向けてグランチャーが接近中!」
アイリーン 「ゲストの皆様は只今よりノヴィス・ノアからの退艦は出来ません!」
軍人 「なんだと!」
政治家 「我々を避難させるべきだ!」
ゲイブリッジ 「この船は何の為にあるのですか!彼等を信じましょう」
ナンガ 「5機だって?近いじゃないか、アイリーン」
アイリーン 「あなたは駄目よ」
ナンガ 「俺はもう大丈夫だ」
アイリーン 「許可できません」
ナンガ 「医者としてか?それとも艦長として?」
アイリーン 「ここで私を補佐して欲しいのよ・・・実戦なんて初めてなのよ?」
ナンガ 「あんたならすぐに一級の戦術家になれますよ」
アイリーン 「でも・・・弾幕を前方に!展開用意!これ以上出てこられたら一斉射します!」
ナンガ 「勇も出られるのか!」
勇 「聞こえている。ナンガはブリッジに居た方が良いと思うな」
ナンガ 「ほう・・・いい覚悟じゃないか」
アイリーン 「ミサイル!イランド、ブレンに当たらないように・・・い、一斉射!」
クインシィ 「ほら見ろ!グランチャーで来てみれば、向きになって敵対行動とるのがノヴィス・ノアだ!奴等はオルファンを害する者なんだ!」
カナン 「クインシィ・イッサーのグランチャー?」
ラッセ 「前へ出るぞ!ヒギンズ!カナン!」
ヒギンズ 「了解!ノヴィス・ノア・・・後ろから撃ち落とさないで、あたしのブレン!」
比瑪 「この敵変よ!勇!」
勇 「何だ?この感触・・・!?」
勇 「クインシィ・イッサーか!」
クインシィ 「見つけた!勇!」
勇 「姉さんだろ!」
クインシィ 「勇!あたしに撃たれなさい!」
勇 「姉さん!姉さん!外を見ろよ!外を!」
クインシィ 「黙りなさい!」
カナン 「ブレン全員へ!勇とあのグランチャーを戦わせては駄目よ!」
ラッセ 「カナン!どういう事だ!」
カナン 「あれはクインシィ!勇の姉さんの依衣子さん!」
ラッセ 「なんだと?」
比瑪 「勇の姉さん?落ちる・・・!」
勇 「何を考えてんだ!親父は国際会議に来て、今度は姉さんまで!」
クインシィ 「研作博士の考える事など、私の知った事ではない!私はオルファンのアンチボディ!」
クインシィ 「お前なんか!」
クインシィ 「そこから引きずり出してグランチャーに潰させる!」
勇 「クインシィになりきって!」
クインシィ 「くっ・・・!なんだっていうの!」
比瑪 「お父さんもいるのに、何でお姉さんはノヴィス・ノアを攻撃するの?」
勇 「オルファンで銀河旅行をするつもりだからさ」
比瑪 「本当にそんな事の出来る宇宙船なの?」
勇 「・・・それは親父たちの推論だ!」
比瑪 「勇!」
研作 「私だ!依衣子!クインシィ・イッサー!聞こえるか!?応答してくれ!今はまだノヴィス・ノアを沈めちゃならん!うおっ!」
クインシィ 「話が違う・・・!話が違う!ブレンは連携して戦っている!?」
カナン 「クインシィ・イッサー!」
クインシィ 「何!?」
カナン 「博士の命まで無視する戦い方をして!」
クインシィ 「お前まで勇に惑わされたのか!オルファンに戻らないのか!」
カナン 「グランチャーの抗体反応は凶器よ!」
クインシィ 「黙れ!」
カナン 「ごめんブレン!でも・・・オルファンには戻りません!」
クインシィ 「ならば消えろ!」
ラッセ 「うおおぉっ!」
カナン 「ラッセ?」
クインシィ 「なんてチャクラシールドになるんだ!?」
ラッセ 「カナン!大丈夫だな?」
カナン 「勿論・・・ラッセ」
クインシィ 「お前達は・・・!何っ?」
カナン 「勇!クインシィと・・・!」
ラッセ 「出るんじゃないカナン!」
源野 「あははっ、ブレンが跳ねてるわ!」
ユキオ 「こっちに来るぞ!」
アカリ 「来たぁ!」
ユキオ 「ふ、伏せろ!」
クマゾー 「うわぁ!」
アカリ 「ブレンが・・・」
クマゾー 「ブレン!」
アカリ 「しっ!」
勇 「姉さん!落ちついてくれ!コクピットから・・・」
勇 「うっ!地上に出たんだ、ここで話せば・・・離れていろ!潰されるぞ!」
カント 「確かめたい事があります!気にしないでいいですよ」
勇 「グランチャーだぞ!?」
勇 「正気か!グランチャーもパイロットも・・・!」
カント 「大切な事なんです!黙っていてください!」
勇 「花?」
クインシィ 「光っている花かい?憶えているかい?勇」
勇 「な、何を?」
クインシィ 「あんたが花をくれたことがあったろ?いつも二人だけで、おばあちゃんは下の村にパートに行っていた頃さ」
クインシィ 「あのプレゼント嬉しかった。誕生日のプレゼントだった」
勇 「ごめん、憶えていない」
クインシィ 「そうか・・・そうだろうね!あんたは両親を裏切り、家族の絆など断ち切ってオルファンから出ていった!」
勇 「違う!姉さんだってオルファンを離れれば、俺の言おうとしている事は解ってくれる」
クインシィ 「お前はオルファンを・・・傷つける!」
勇 「うっ・・・姉さん!」
カント 「あっ・・・あ!」
勇 「姉さん!・・・ああっ!」
カント 「わああっ!」
勇 「うっ・・・!まったく抗体になりきってる!」
勇 「何が不満なんだ!この世界に!」
政治家A 「いやぁ、流石!」
政治家B 「街にはミサイル一発落ちなかったと言いますよ?」
ゲイブリッジ 「皆様の御協力があればこそです」
研作 「仰られますがお義母さん、我々は人類の敵になるためにオルファンを復活させたのではありません。翠にも依衣子にもそんな事はさせはしませんよ。それは本当です」
勇 「今あいつをどうにかしたって、オルファンは止まらない!どうするんだ・・・勇!?」
比瑪 「勇!どこに行くの!」
勇 「ほっといてくれ!ノヴィス・ノアなんかにいられたらどうする事も出来ないじゃないか・・・どうする事も・・・!どうする事も出来ないじゃないか!」
※:このシーン、複数人いますが聞き分け出来ないのでそれぞれ「ノヴィスクルー」「出席者」「警備員」と一括りにさせてもらっています。
第10話「プレートの誘惑」←
https://ishikobafuji.diarynote.jp/201011061303547926/
→第12話「単独行」
https://ishikobafuji.diarynote.jp/201109261442516327/
比瑪
(ナレーション) 「そりゃ、アノーア艦長が息子さんのことで悩んでいたからってその事と行方不明になった事とは関係がない。あたしが出会ったのと質が違うプレートは回収したほうがいいって艦長は判断したのよ。それが冷静さを失わせて、プレートにのみ込まれた。とっても残念・・・」
カント 「想像していた通りの規模だけど計算通りの出力が出たら、どうなるのかなあ?」
ノヴィスクルー(※) 「結局見つからなかったって?」
ノヴィスクルー 「そりゃあそうだろ。プレートのスピード、なまじじゃねえもん」
ラッセ 「ナンガ!いいのか?」
ナンガ 「オグンの御加護のおかげだね」
ラッセ 「新しい艦長の噂は聞いてるのか?」
ナンガ 「キメリエスのレイトが昇格するんだろう?」
ヒギンズ 「何も聞いてない。レイト艦長は潜水艦が好きだから」
ゲイブリッジ 「待たせて申し訳なかった。アノーア艦長の捜索は続けなければならないが、我々の任務は急を要している。ここで緊急対策として、新任の艦長を認めて頂きたい」
ノヴィスクルー 「新任の艦長?」
ノヴィスクルー 「誰が艦長になったんだ」
ノヴィスクルー 「レイトじゃないのか?」
副長 「静かに!アイリーン・キャリアーは士官学校でも優秀だった。その上医師と針の免許を持ち、我々は彼女にケツの穴まで見られている現実がある」
ノヴィスクルー 「ハッハッハ!」
ノヴィスクルー 「反対できねぇってことかあ」
ノヴィスクルー 「賛成だい!」
ノヴィスクルー 「オーガニック・シップにお医者さんがベスト!」
ユキオ 「当然、当然!」
クマゾー 「当然!」
アカリ 「賛成!」
カナン 「何ていう船?こんな人選」
勇 「全く、みんなで何を考えてんだか」
比瑪 「何が気に入らないのさ?」
勇 「別に。感動してんだよ、民主主義に」
ゲイブリッジ 「満場一致という事で、君に艦長をやってもらう」
アイリーン 「はい、では只今よりアイリーン・キャリアーがノヴィス・ノアの艦長を代行させてもらいます。本艦はオルファン対策会議の間、機関整備と補給を警戒体勢のまま行います!各員部署へ戻ってください!」
ノヴィスクルー 「よしかかれ!働け働けー!」
ノヴィスクルー 「お手柔らかにね」
アイリーン 「こちらこそ」
ナンガ 「病室で教えてくれたって良かったのにさ」
アイリーン 「だって今日いきなりだったのよ」
勇 「あんた、それでいいのかよ?」
アイリーン 「こんな時でしょ?やります」
比瑪 「勇?」
アイリーン 「勇は優しいわ、私が重荷を背負わされたと思っているのよ」
比瑪 「あいつ、そういうとこ敏感なんです」
アイリーン 「ありがたいわ」
アイリーン 「でも敏感過ぎるのはよくないわね、グランチャーに乗っていた事にいつまでも罪悪感を持っているから」
アイリーン 「慰めてあげられない?」
比瑪 「私が?」
源野 「あら?」
軍人 「ブレンパワードだ。本当に飛んでるぞ」
勇 「ブレンが恥ずかしがってる。さっさと行けよ」
源野 「フフフ、坊やは相変わらず。ブレンパワードは相変わらず素敵に雄々しいわ」
クマゾー 「比瑪姉ちゃん!」
アカリ 「綺麗な花よ」
ユキオ 「あんまり見ない花なんだ」
比瑪 「本当!」
クマゾー 「きれい!」
比瑪 「そうだね。蘭でしょうね、これ」
ユキオ 「でも葉っぱが違うよ?」
アカリ 「ほうら、ヒメ・ブレン見えるでしょ?綺麗な花。ユウ・ブレンも見なさい、綺麗だろ?」
勇 「へえ」
アカリ 「なっ?」
勇 「綺麗だな」
アカリ 「あげるっ」
カント 「植物は強いですよね。地球が汚れてしまっても花を咲かせる。強さと美しさで人の心を慰めてくれる」
カント 「カント・ケストナーです。想像通り優しい姿に嬉しくなりました、ブレン」
勇 「なんでおまえみたいのが、こんな所にいるんだ?」
カント 「こんな所へ?変な聞き方しますね」
勇 「だってお前、外国帰りだろ?」
カント 「何でわかるんですか?」
勇 「俺もそうだからさ」
カント 「・・・あ!あ、すいません行かなくっちゃ」
比瑪 「誰?」
勇 「どなたでしょうね」
源野 「今日の発表はリクレイマーに負けあちゃいません」
桑原 「私は彼らと理論闘争をしようとは思っていない」
源野 「あら?博士は伊佐未博士への当て付けでオーガニック・エンジンを開発したんじゃないんですか?」
桑原 「違うよ・・・」
源野 「失礼、あっ・・・」
桑原 「あいつは?」
研作 「久しぶりだな桑原」
桑原 「き、貴様こそ、日の光に当たっている顔をして」
研作 「オルファンはそのくらいのものは完備しているさ。時給自足しているんだからね」
クインシィ 「発信準備、できているな?指名された者は揃っているな?」
翠 「待ちなさい!あなたの考えている出撃は軽率です!」
クインシィ 「ドクター達の独断的行動のおかげでオルファンに危機を呼ぶかもしれないのだ」
翠 「ブレンパワードの性能は私達が思っていた以上だった。あの人はそれを確かめに行ったのです!」
クインシィ 「何も自分が行くことはない」
翠 「心配しなくてもお父様は・・・」
クインシィ 「心配なのはあの人の頭脳がノヴィス・ノア側に利用される事だ!」
翠 「そんな事はありえません!」
クインシィ 「お前達はオルファンの循環器の整備をすればいい!」
翠 「クインシィ・イッサー!まるで・・・まるで、軍隊気取り」
クインシィ 「オルファンが輝きを増している。銀河を夢見ているんだ・・・」
クインシィ 「うっ・・・あぁ・・・太陽か!ははははっ!久しぶりに海の上に出た!
本当に綺麗、勇にも見せてあげたいなあ。あの子ったらどこに行ったのかしら・・・?しょうがない子だ、ちっともじっとしてないでいつも心配ばかり掛けて・・・」
桑原 「オルファンが海面に浮上する際の津波の被害は既に述べた通り、甚大な物になりますが、本当の危機は海面から宇宙に飛び立つ時でありまして、膨大なオーガニック・エナジーが地球から失われるという事です。それを定数化したものが、これです。」
出席者(※) 「悲観的過ぎないか?」
出席者 「なんて数字だ」
桑原 「シダ類以下の菌類は生き残りますが、生き物らしいものは全滅するでしょう」
出席者 「全滅だって!?」
出席者 「ノヴィス・ノアはそれをさせないための船なんだろう!」
桑原 「ノヴィス・ノアは3隻の随伴艦と行動を共にしております。各艦にはプレートが搭載されておりますので、それらをオルファンを囲む位置に配置しましてオーガニック・エンジンとプレートを共振させ、更にバイタル・グロウブのオーガニック・エナジーとも共振させオルファンのオーガニック・エナジーを宇宙に放出させます。そうすればオルファンは沈静化します」
研作 「エネルギーが放散されるだと?」
桑原 「この予測について私以上にオーガニック・エナジーについて詳しい伊佐未研作博士の見解を伺いたいのです。どうか」
研作 「オルファンは止まるかもしれないな」
桑原 「はい、プレートについての・・・」
警備員(※) 「止まれ!」
勇 「奴はリクレイマーだぞ!」
警備員 「子供の来る所じゃない!」
警備員 「会議場で・・・!」
勇 「俺は直接関係者なんだ!」
警備員 「豚箱に入れる!」
桑原 「失礼しました、では伊佐未博士御願いします」
出席者 「オルファンのアンチボディ!」
出席者 「ははは」
研作 「まず最初にお伝えしたいのは、オルファンの制御は不可能ではないという事です」
勇 「親父の言うことなんて嘘だ!」
警備員 「いい加減にしろ!」
ゲイブリッジ 「離してくれないか!」
アイリーン 「彼はノヴィス・ノアのクルーでブレンパワードに乗っている少年です!」
警備員 「はっ、はあ・・・」
勇 「なんで親父に話させる!」
アイリーン 「彼は研究員として正規のルートでこの会議に出席しているのよ」
勇 「だからって・・・」
ゲイブリッジ 「現実を認めるんだな。ノヴィス・ノアの建造費を出している者の中にもリクレイマーに支援をしている者もいるのだ」
勇 「自分達だけが助かりたくてオルファンに乗せてもらいたがってる連中の事か」
アイリーン 「そういう人達を怒らせたらノヴィス・ノアは動かなくなるわ」
勇 「何てことだ・・・それが現実だって?」
ゲイブリッジ 「そうなんだよ勇君」
研作 「植物の光合成とオーガニック・エナジーの繋がりについては未だに・・・」
出席者 「貴様は!グランチャーの動きはどう説明するんだ!」
出席者 「勝手にプレートを集め回って各地で事を起こしている!」
桑原 「そうです。博士はアンチボディについては一切触れていませんでした。その点・・・」
研作 「花・・・蘭の花か?」
カント 「博士は光合成について正確に説明なさってはいませんでしたか?」
研作 「そ、そうだったか?」
桑原 「光合成の関係?」
カント 「はい。植物も生物だと・・・」
勇 「あいつ、なんだってんだ?」
(アイキャッチ)
カント 「オルファンの現象は生命体全ての問題ですから、グランチャー現象は些末な問題です。無視して宜しいでしょう。このバイタル・グロウブのネットは・・・」
カント 「地球を覆うオーガニック・エナジーの流れを示しています」
勇 「何者なの?」
アイリーン 「カント・ケストナー。10歳で博士号を取った神童」
カント 「近年植物の繁茂の著しい地域です。これにバイタル・グロウブのラインを重ねます。・・・というわけです。つまりオルファンと植物に・・・」
カント 「活性化の関係があると知ったのです」
勇 「だからなんだっての」
アイリーン 「良い感をしている子よ」
ゲイブリッジ 「ん?」
カント 「蘭の花はその代表的なものです。僕はこの事実を知った時とても感動しました。人類が汚してきた地球は・・・」
カント 「まだ人類に絶望せずに地球の生態系を救う術を与えてくれていたと。この植物の活性化現象は、世界各地のプレートの出現場所とバイタル・グロウブのネットと重なる所で起こっております。つまりオーガニック・エナジーの飽和が起こっているのです」
勇 「植物との関係か」
カント 「この現象の意味するところは・・・」
カント 「植物の光合成とオルファンの働きには繋がりがあるという事です。この点は伊佐未博士と意見が似ています。けど、博士の意見は嘘です」
桑原 「ん?」
カント 「オルファンのエネルギー総量は太陽みたいなものですから人間にコントロールできません」
桑原 「ノヴィス・ノアのエンジンは工学的に集積力を持っている」
カント 「でも、オーガニック的な物の考え方だとオルファンは生物ですよね?」
桑原 「そ、そうだが・・・」
カント 「生物の根本的な作用は対生成です。プラス・マイナス。雄と雌。陰陽の二元論に根差しています」
研作 「だから少年、私はオルファンの存在に拮抗する存在としてビー・プレートを仮定したのだ」
カント 「オルファンが雄なら雌に相当するものがある。卓見でいらっしゃいますが、そのようなものが見つけられない限りオルファンは銀河系外にそれを求めるでしょう」
ユキオ 「そうなのか。この辺のも外国から入ってきた花が多いのか?」
カント 「港町の宿命だね。在来種の方が少ない」
クマゾー 「綺麗!これ綺麗!光ってる!」
カント 「こんな所にまで!オンシジウムの変種が咲いているのか」
アカリ 「光ってるように見えないか?」
ユキオ 「あん?」
カント 「こうしたらどう見える?」
クマゾー
アカリ 「へ?」
ユキオ 「へええ」
クマゾー 「うわあぁ」
カント 「という事は、この辺りもバイタル・グロウブの境界線に当たるのかな?」
政治家 「ははっ、想像するのと見るのとは大違いですな。20万ドルとか?」
ラッセ 「天才少年の出現は面白かったけど、面白がっちゃいられないという面もあるよな」
カナン 「オーガニック・エナジーが数量的に計測できるようになったのは最近ですものね」
ラッセ 「ああ、しかしデータよりこうやって付き合ってくれるブレン達を見りゃあ・・・ううっ・・・」
カナン 「どうしたの?ラッセ」
ラッセ 「ん・・・ああ、あいつらの毒気に当てられたのさ」
カナン 「え?ああ・・・」
研作 「ここのブレンは生き生きしている。まるでノヴィス・ノアそのものがビ・ープレートとも思える」
研作 「母さんが心配しているぞ」
勇 「どこにそんな奴がいる!」
研作 「ん・・・」
比瑪 「あれが勇のお父さん?」
ノヴィスクルー 「アンチボディ!5つです!間違いありません!」
アイリーン 「只今本艦に向けてグランチャーが接近中!」
アイリーン 「ゲストの皆様は只今よりノヴィス・ノアからの退艦は出来ません!」
軍人 「なんだと!」
政治家 「我々を避難させるべきだ!」
ゲイブリッジ 「この船は何の為にあるのですか!彼等を信じましょう」
ナンガ 「5機だって?近いじゃないか、アイリーン」
アイリーン 「あなたは駄目よ」
ナンガ 「俺はもう大丈夫だ」
アイリーン 「許可できません」
ナンガ 「医者としてか?それとも艦長として?」
アイリーン 「ここで私を補佐して欲しいのよ・・・実戦なんて初めてなのよ?」
ナンガ 「あんたならすぐに一級の戦術家になれますよ」
アイリーン 「でも・・・弾幕を前方に!展開用意!これ以上出てこられたら一斉射します!」
ナンガ 「勇も出られるのか!」
勇 「聞こえている。ナンガはブリッジに居た方が良いと思うな」
ナンガ 「ほう・・・いい覚悟じゃないか」
アイリーン 「ミサイル!イランド、ブレンに当たらないように・・・い、一斉射!」
クインシィ 「ほら見ろ!グランチャーで来てみれば、向きになって敵対行動とるのがノヴィス・ノアだ!奴等はオルファンを害する者なんだ!」
カナン 「クインシィ・イッサーのグランチャー?」
ラッセ 「前へ出るぞ!ヒギンズ!カナン!」
ヒギンズ 「了解!ノヴィス・ノア・・・後ろから撃ち落とさないで、あたしのブレン!」
比瑪 「この敵変よ!勇!」
勇 「何だ?この感触・・・!?」
勇 「クインシィ・イッサーか!」
クインシィ 「見つけた!勇!」
勇 「姉さんだろ!」
クインシィ 「勇!あたしに撃たれなさい!」
勇 「姉さん!姉さん!外を見ろよ!外を!」
クインシィ 「黙りなさい!」
カナン 「ブレン全員へ!勇とあのグランチャーを戦わせては駄目よ!」
ラッセ 「カナン!どういう事だ!」
カナン 「あれはクインシィ!勇の姉さんの依衣子さん!」
ラッセ 「なんだと?」
比瑪 「勇の姉さん?落ちる・・・!」
勇 「何を考えてんだ!親父は国際会議に来て、今度は姉さんまで!」
クインシィ 「研作博士の考える事など、私の知った事ではない!私はオルファンのアンチボディ!」
クインシィ 「お前なんか!」
クインシィ 「そこから引きずり出してグランチャーに潰させる!」
勇 「クインシィになりきって!」
クインシィ 「くっ・・・!なんだっていうの!」
比瑪 「お父さんもいるのに、何でお姉さんはノヴィス・ノアを攻撃するの?」
勇 「オルファンで銀河旅行をするつもりだからさ」
比瑪 「本当にそんな事の出来る宇宙船なの?」
勇 「・・・それは親父たちの推論だ!」
比瑪 「勇!」
研作 「私だ!依衣子!クインシィ・イッサー!聞こえるか!?応答してくれ!今はまだノヴィス・ノアを沈めちゃならん!うおっ!」
クインシィ 「話が違う・・・!話が違う!ブレンは連携して戦っている!?」
カナン 「クインシィ・イッサー!」
クインシィ 「何!?」
カナン 「博士の命まで無視する戦い方をして!」
クインシィ 「お前まで勇に惑わされたのか!オルファンに戻らないのか!」
カナン 「グランチャーの抗体反応は凶器よ!」
クインシィ 「黙れ!」
カナン 「ごめんブレン!でも・・・オルファンには戻りません!」
クインシィ 「ならば消えろ!」
ラッセ 「うおおぉっ!」
カナン 「ラッセ?」
クインシィ 「なんてチャクラシールドになるんだ!?」
ラッセ 「カナン!大丈夫だな?」
カナン 「勿論・・・ラッセ」
クインシィ 「お前達は・・・!何っ?」
カナン 「勇!クインシィと・・・!」
ラッセ 「出るんじゃないカナン!」
源野 「あははっ、ブレンが跳ねてるわ!」
ユキオ 「こっちに来るぞ!」
アカリ 「来たぁ!」
ユキオ 「ふ、伏せろ!」
クマゾー 「うわぁ!」
アカリ 「ブレンが・・・」
クマゾー 「ブレン!」
アカリ 「しっ!」
勇 「姉さん!落ちついてくれ!コクピットから・・・」
勇 「うっ!地上に出たんだ、ここで話せば・・・離れていろ!潰されるぞ!」
カント 「確かめたい事があります!気にしないでいいですよ」
勇 「グランチャーだぞ!?」
勇 「正気か!グランチャーもパイロットも・・・!」
カント 「大切な事なんです!黙っていてください!」
勇 「花?」
クインシィ 「光っている花かい?憶えているかい?勇」
勇 「な、何を?」
クインシィ 「あんたが花をくれたことがあったろ?いつも二人だけで、おばあちゃんは下の村にパートに行っていた頃さ」
クインシィ 「あのプレゼント嬉しかった。誕生日のプレゼントだった」
勇 「ごめん、憶えていない」
クインシィ 「そうか・・・そうだろうね!あんたは両親を裏切り、家族の絆など断ち切ってオルファンから出ていった!」
勇 「違う!姉さんだってオルファンを離れれば、俺の言おうとしている事は解ってくれる」
クインシィ 「お前はオルファンを・・・傷つける!」
勇 「うっ・・・姉さん!」
カント 「あっ・・・あ!」
勇 「姉さん!・・・ああっ!」
カント 「わああっ!」
勇 「うっ・・・!まったく抗体になりきってる!」
勇 「何が不満なんだ!この世界に!」
政治家A 「いやぁ、流石!」
政治家B 「街にはミサイル一発落ちなかったと言いますよ?」
ゲイブリッジ 「皆様の御協力があればこそです」
研作 「仰られますがお義母さん、我々は人類の敵になるためにオルファンを復活させたのではありません。翠にも依衣子にもそんな事はさせはしませんよ。それは本当です」
勇 「今あいつをどうにかしたって、オルファンは止まらない!どうするんだ・・・勇!?」
比瑪 「勇!どこに行くの!」
勇 「ほっといてくれ!ノヴィス・ノアなんかにいられたらどうする事も出来ないじゃないか・・・どうする事も・・・!どうする事も出来ないじゃないか!」
※:このシーン、複数人いますが聞き分け出来ないのでそれぞれ「ノヴィスクルー」「出席者」「警備員」と一括りにさせてもらっています。
第10話「プレートの誘惑」←
https://ishikobafuji.diarynote.jp/201011061303547926/
→第12話「単独行」
https://ishikobafuji.diarynote.jp/201109261442516327/
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