ブレンパワード 全台詞集 第14話「魂は孤独?」
2011年10月9日 ブレンパワード全台詞集脚本:面出明美 絵コンテ:川瀬敏文 演出:渡邊哲哉 作画監督:津幡住明
アナウンサー 「あの島のように見えるのがオルファンでしょう!そうとしか考えられません!」
カメラマン 「あんなものが宇宙に飛ぶわけないだろう」
マスコミA 「もっと島に接近しろ!」
マスコミB 「筋雲を避ければ良いんでしょ!?」
マスコミA 「近づけよ!」
マスコミA 「うわあああ!」
コモド 「筋雲だってカーテンだってバイタル・グロウブのネットなんだよ!ぼやぼやするから!」
比瑪 「ユウ・ブレンは!?」
比瑪 「ユウ・ブレンを探すのよ!どきなさい!」
比瑪 「ごめんユウ・ブレン!あたしは馬鹿だ!君を独りにしちゃって、ごめんなさい!」
比瑪 「ユウ・ブレーン!」
比瑪 「怪我してない?どこか痛い所ない?引き攣るとかさ、ねえ?」
比瑪 「手と足はちゃんと付いてるね。凄い、ちゃんと戦ってちゃんと生きてる!偉いよ君!怖い?怖くないの?どうなの?」
比瑪 「君、どうしたの?どこに行くの!?」
ナンガ 「比瑪、比瑪、どこにいる?別働隊がいるぞ!」
比瑪 「あいつ、勇の気性が移ったんじゃないのか?」
勇 「馬鹿か!おまえは!図体がでかいからってパイロットが乗ったグランチャーと戦えるほど、おまえは良く出来ちゃいないんだ!親父達が何と言おうとおまえ達は人間を乗せる為のスペースを用意して生まれたんだ、それは何故だか分かるか、ええ?おまえ達がこの地球の進化の歴史の中で学んだ事だよな。人間の反射神経と判断力と感性、それに生殖だけは人間のものを利用するつもりだからだ、こいつのコピーは面倒だもんな!しかし、力を行使する事は自分達のものにした。フッ、人間って奴は力の使い方を知らないエゴイスティックな動物だからだろう?だからおまえ達は、おまえ達に必要な人間だけを摂取して、地球が育てた生物の生体エネルギーの全てを吸収して銀河旅行をするつもりだ!それがおまえ達だ!けどそういうおまえ達が何故かグランチャーとブレンパワードという二つに分かれて生まれた。しかも雄と雌との関係でもない。もっと根源的に、陰陽とか、プラスマイナスぐらいはっきりと反発し合う習性をもっている、何故だよ!?一つで完全無欠に永遠であるものなどこの世の中にはない。だからこうやってぐちゃぐちゃに生まれてきたんなら、オルファンだってそうだろう!?自分の反対にあるものと戦って探しているものがあるんだろう!?ビー・プレートとかもう一人のオルファンとかさ!オーガニックで有機的なものが1つのものであるわけはないのに!貴様、おまえは!比瑪程度の女に唆されて・・・うっ?・・・馬鹿野郎!」
勇 「お、おい。怪我は無いよな?どうだ、ええ?」
デッキクルー 「ユウ・ブレンが戻ったぞー!」
勇 「ブレン、痛いところは無いか。悪口は言ったつもりはないぞ・・・よし」
デッキクルー 「身体検査しないと駄目だろう!」
勇 「よく戻ってきた、ブレン。震えているのか?何があったんだ?」
勇 「俺がついててやるから怖がるな。何が怖かったのか、教えてくれるか?」
ノヴィスクルーA 「ユウ・ブレン、また発進!」
アイリーン 「任せておいて!」
桑原 「オルファンの動きは止まりましたね」
アイリーン 「バイタル・ネットは?」
桑原 「安定した出力を見せています」
カント 「そのネットとノヴィスのオーガニック・エナジーが3隻の随伴艦のプレートとも繋がって、オルファンの動きが止まったんですか?」
桑原 「そう考えるしかないタイミングじゃないか!」
カント 「ここの数値は全てノヴィスを設計した人間が弾き出した数字です」
アイリーン 「オルファンには通用しないと言うのね?」
カント 「それも断定出来ませんけど?」
アイリーン 「そうであっても、あたし達は最善の事をやるしかないです」
カント 「大人は大変ですね。僕は子供のままでいたいな」
アイリーン 「君の頭と口先は立派な大人よ?」
カント 「違いますよ!」
アイリーン 「不幸ですけど、大人です」
カント 「本当ですか、博士!?」
桑原 「天才少年って誉めたいけれど、君はニーチェを超えてるな」
源野 「ふふふっ」
カント 「粗製濫造された神々が踊り狂ってるんですよ!」
アイリーン 「・・・やっぱり大人じゃない」
クインシィ 「本当にオルファンは頭を抑えられていると、言うのだな?」
リクレイマー 「海上には上からの力がかかっているというデータが・・・」
クインシィ 「その程度の事でオルファンが止まるのか!ノヴィスが何か作戦をやったというのか?」
ジョナサン 「それならこちらも同じ事をするまでだろう、クインシィ・イッサー」
クインシィ 「ジョナサン!」
ジョナサン 「こんな所にノコノコ出てくるからさ!力の無い者が!」
カナン 「何?あの艦隊は?」
ヒギンズ 「こちらに断わり無く出てきた国連軍でしょ?」
ラッカ 「ああなったら、只の虐殺じゃないか!・・・ん?」
シラー 「食らえ!」
シラー 「ジョナサンの邪魔はさせない!」
ナンガ 「イランド部隊は国連の艦隊を守れ。俺と比瑪はグランチャーを止める!」
比瑪 「あの船には何百人もの人がいるんだ・・・これが戦争なんだ。怖い?そうだよね、本当は戦いたくないよね?」
比瑪 「でも皆を守らないと!ユウ・ブレンだって戻ってくれるよ!」
ナンガ 「こいつら一体何機いるんだ?」
ラッセ 「数で勝てないが、指揮官を落せば・・・!」
ナンガ 「待て!ラッセ!」
ラッセ 「止めてみせる!」
ジョナサン 「まだまだぁ!」
カナン 「ラッセ?・・・はっ!」
シラー 「カナン!裏切りの代償は払ってもらう!」
カナン 「シラー・グラス?」
ラッセ 「こいつ!」
ラッセ 「うわっ!」
ジョナサン 「死ねってことよ!」
ラッセ 「い、痛みがきた・・・何!?」
ジョナサン 「とどめをもらう!・・・ぐっ?」
勇 「ジョナサン!もう止めろ!」
ジョナサン 「勇、やっと来たか。逃げ出したかと心配したぜ!」
カナン 「ラッセ!ラッセ・ルンベルク!大丈夫なんでしょ?生きているんでしょ?」
カナン 「ラッセ!ラッセ!」
ラッセ 「・・・大丈夫だ、生きているよ」
カナン 「了解。ラッセ・ルンベルク」
シラー 「仲良く死なせてあげようっていうのに!当たらない?」
比瑪 「カナンさん早く!勇!」
勇 「ジョナサン!貴様は!アノーア艦長に!」
ジョナサン 「ぐわっ!」
勇 「お袋さんに復讐する為にリクレイマーになったんだろう?お袋さんは、アノーア艦長は、責任を感じていた!だからプレートと一緒に海に消えた、いなくなったんだよ!もう他人を巻き込む必要は無いんだ!」
ジョナサン 「もうあんな女の事に拘っちゃいない!」
勇 「そんなパンチ!」
ジョナサン 「自分のプライドしか考えられない女の事などで、誰が思い悩むか!」
勇 「嘘をつけ!親子の情をそんな簡単に切れるものか!」
ジョナサン 「ハッハ!貴様は覚悟が足らないからそういう事言うんだよ!いくじなしめ!男じゃないんだよ!」
勇 「いくじなし?覚悟がない?」
ジョナサン 「本当の覚悟ができていれば親殺しだってできる!キレてやるんじゃない、逆上しなくたって正義の確信があり、信念を通そうという確固たるものがあればできるもんだ!」
勇 「事情があった!」
勇 「事情が!」
ジョナサン 「ハッハ!覚悟がないからオルファンだって沈められないんだ!」
勇 「な、何?」
ジョナサン 「本気でオルファンを沈めるつもりがあれば、おまえが来た時原爆なり水爆を持ち込めたはずだろう?」
勇 「その程度の事ではオルファンは沈むわけがない!」
ジョナサン 「沈むなぁ。2重3重の核を体内で爆発させてみろ、オルファンだって沈む」
勇 「沈まない!」
ジョナサン 「勇よぉ、おかしかないか?なら何で外に出ていってオルファンを沈めようなんて言ってんだ」
勇 「それは、マイクロウェーブとかビー・プレートとかの可能性はあった!」
ジョナサン 「二親と姉さんのいるオルファンなんか端から沈める気はないんだ。それがおまえの本当の気持ちだから、アンチボディ戦なんかやってみせてノヴィス・ノアから食い扶持をもらう為に格好だけはつけてんだ!」
勇 「違う!あいつらはオルファン諸共消えて無くなればいい!」
ジョナサン 「本当にそう思えるか?」
勇 「何を・・・言いたい?」
ジョナサン 「俺さ。クインシィ・イッサーと愛し合ったなぁ」
勇 「俺の知った事か!」
ジョナサン 「粉をかけたらすぐによってきたんだ」
勇 「男と女のやる事、珍しくもない」
ジョナサン 「ドクター翠・伊佐未もなんだ」
勇 「・・・何を言ってるんだ?」
ジョナサン 「いやさぁ、ババァなんて馬鹿にしてたさ。がね、いやぁ味わい深かったって感動したぁ・・・お」
勇 「くう!」
ジョナサン 「ハッハッハ!怒れよ!」
勇 「はあああああ!」
ジョナサン 「普通こういう話は面白がるんだぜ?怒るっていう事の意味は分かるよなぁ?おまえにはオルファンを沈める事はできない!」
勇 「嘘だ!ジョナサン流の強がりだ!」
ジョナサン 「ならお母ちゃんに聞いてみなよ。情熱を秘めた肉体・・・」
勇 「貴様ぁー!」
ジョナサン 「すまない。言い過ぎたな。しかしもう一つ現状報告をしておくと、女房の態度が変わってもそれに気付かないのがおまえのお父ちゃんって事だ!おまえはそういう男と女の間に生まれた子供なんだ!」
ジョナサン 「可哀想になぁ、生きてたって辛いだろう?楽にしてやるよ。心配するな、クインシィだってたっぷり可愛がってやる。俺、包容力ってのあるつもりだからさ」
勇 「くうう!言うなぁ!」
ジョナサン 「ハッハッハ!」
(アイキャッチ無し)
翠 「何故こんなものだけでオルファンが停止するのかしら。オルファンのエネルギーレベルなら振り切れるはずよ」
研作 「こちらの計算ではそうだが、これがオルファンの意思ならどうだ?」
翠 「オルファンの意思なら?」
研作 「どちらにしても今は様子を見た方が良い」
翠 「そうでしょうか?」
研作 「グランチャー部隊にだって影響が出るはずだ」
翠 「ああ。なら、引き上げさせましょう!」
桑原 「良いぞ!このままオルファンを海底へ押し戻せるかもしれない!」
アイリーン 「オーガニック・エンジン臨界点へ持ち上げてみます」
副長 「了解。カウントダウン開始。10、9、8、7、6、5、4」
ノヴィスクルーB 「国連本部より通信です」
アイリーン 「こんな時に?」
ノヴィスクルーB 「は、はぁ」
国連議員 「ノヴィス・ノア及びバイタリティ・ネット作戦に参加している艦隊の作戦は中止!オルファンの静止が認められたので現状のまま待機!」
桑原 「な、何を言ってんです!」
ゲイブリッジ 「オーガニック・エンジンの出力を戻す」
アイリーン 「ゲイブリッジ司令!」
ゲイブリッジ 「上の決定には逆らえん」
桑原 「しかし!」
ゲイブリッジ 「彼等はリクレイマーの言い分を信じているようだ。オルファンがオーガニック・エナジーを吸収せず、そのまま宇宙へ行ってくれるならそれで良いのだ、と」
桑原 「そんな事はあり得ません!」
ゲイブリッジ 「その調査の為の停戦だ!」
アイリーン 「リクレイマーが動いたんですね?」
ゲイブリッジ 「ああ、そうだろうな」
アイリーン 「仕方がない?仕方がないんですね?」
カント 「でしょうね。この船のオーガニック・エナジーの放出がオルファンに気持ち良いってこと、それはあり得るもんな。その結果は、データなんかじゃ分からないよな。あんなもの過去の検証だけで未来予測はしないもの」
ジョナサン 「ハッハッハ!そういう風に怒るお前には、俺一人落とせやしない!」
勇 「やったな!ジョナサン・グレーン!」
比瑪 「勇!何を撃ってるの!?もう相手はいないでしょ!」
勇 「はっ!?貴様のやった事、どんな理由があろうと犬畜生以下だ!鬼だ!外道の極みだ!うわああああ!」
比瑪 「勇、どうしたの?泣いてるの?勇、何で泣いてるの?」
勇 「ほっといてくれぇ!」
ナンガ 「5、6機も落したか?」
コモド 「ああ。引く事はないように見えたけど?」
ナンガ 「そうでもない。勇のブレンは俺のより参っている」
勇 「さっきは大声を出しちゃって、済まなかった」
比瑪 「何か・・・」
カナン 「無茶よ!」
ラッセ 「事情は見りゃ分かるだろう!このぐらいは無茶な事じゃない!」
カナン 「そうだからって、まるで死んでも良いって戦い方は異常です!貴方はファイティング・ハイになるような人ではないのに、どうしたっていうの!」
比瑪 「カナンさん?」
カナン 「英雄気取りでやったのならもっと質が悪い。ブレンだって大怪我をさせて、得な事なんか何にも無いのよ!」
ラッセ 「泣くなよカナン。そう簡単に俺はくたばったりしない」
カナン 「自惚れないでね」
ラッセ 「ああ」
カナン 「先生を呼ぶわ」
ラッセ 「へっ。頼むわ・・・おっ?」
カナン 「ラッセ?どうしたの?」
ラッセ 「ちょっと目眩がしただけだ。休めば良くなる」
勇 「何だ?」
コモド 「何を知ってんのさ、教えなさいよ」
比瑪 「何なんです?」
ナンガ 「あいつ白血病の持病があって、それで疲れ易いんだ」
カナン 「えっ」
比瑪 「でも、今は治らない病気じゃないわ」
ナンガ 「そうなんだが」
アイリーン 「彼は一切の治療を拒んでいるのよ。神が為すままに運命を受け入れるって」
カナン 「どうしてなんです?」
アイリーン 「ここに来た時からそう、あたしにはお灸の治療しかさせてくれないのよ」
カナン 「そんなの変ですよ!」
アイリーン 「勇」
勇 「はい」
アイリーン 「ラッセが呼んでるわ。あなたに話したい事があるって」
勇 「でも・・・」
比瑪 「あたしが行く」
勇 「頼む」
勇 「熱くないのか?」
ラッセ 「熱いさ、気持ち良いけど」
勇 「なんだよ、カナンは怒ってどっか行っちゃったぞ」
ラッセ 「それで良いさ。泣かれるとは思わなかったんで結構効いたよ。今まで俺の事を泣くほど心配してくれる奴なんていなかったからな」
勇 「だったら、治療すれば良いじゃないか」
ラッセ 「俺はブレンに会った時に願掛けをしたんだ。この気に入っている地球をオルファンみたいなわけの分からないものに壊されるくらいなら命を賭けるってね」
勇 「それは分かるけど」
ラッセ 「だから独りで戦おうって勇の気持ちは分かってたんだが、俺達を利用するぐらいの気合いは持って欲しいんだ」
勇 「そういう話か」
ラッセ 「独りでやるよりは良いぜ」
勇 「カナンを、泣かせるな」
ラッセ 「まだ、そういう約束は出来ないな。あの子を生かすために」
比瑪(※) 「おろち こわや 海呑む こわや おねむでころり てんじんさんでころり おろち こわや・・・」
比瑪 「ひだまりの館の先生がよく歌ってくれた子守唄よ」
勇 「カナンは?」
カナン 「ああ。酷い顔を見に来たの?」
勇 「ごめん。心配で」
カナン 「ありがとう」
勇 「いや」
カナン 「自分がこんなに弱いなんて思わなかったな」
勇 「カナンは強いよ」
カナン 「両親から望まれずに生まれれば、怨みしか知らずに独りで生きてしまう。そんなあたしに人類への復讐も出来て銀河旅行が出来るって言われれば、グランチャー乗りになれると思えた。でもそんな事しても、結局は自分の思いからは逃げられないって分かったのよ」
勇 「だからカナンは強いんだよ。俺は逃げてばかりだ」
カナン 「あたしをここに呼んでくれたのは勇よ。勇は復讐なんて意味が無いって分かったんでしょ?」
勇 「それは分かったさ。外からオルファンを眺めてはっきりそう思えたんだ」
勇 「あれは優しい姿をしていた。膨よかで、狂暴なものには全く見えなかった」
カナン 「それ、まるで母なるものの事ね。人間の女達が母になる事をしなくなった。それで子供達は奈落に落ちる。だからオルファンが敵になる」
勇 「そう。それもあるかもな。女が母になる事をやめて、男もそれを許したんだ」
カナン 「戦争が無くなって、自由過ぎて、男も女も自分達の欲望だけに目を向けてしまったのよ」
勇 「生存競争を自分に向けたらエゴだけが育ったんだ」
カナン 「このブレンチャイルドに触っていると、そういう考え方の間違いに気付くみたいで・・・あたし、あの人を愛しても良いのかしら?」
勇 「良いよ、素敵な事じゃないか。カナンとラッセならベストカップルだ」
カナン 「ありがとう」
比瑪 「ふうん・・・」
ナンガ 「このままの状況を永遠に維持できるはずはないでしょう?」
ゲイブリッジ 「それは分かっているが、国連という組織の命令には逆らえない」
コモド 「前線にいるあたしたちのほうが状況は分かっています!このままバイタル・ネットが消滅したらどうするんです?」
ナンガ 「今がチャンスなんです!これを逃せばオルファンを沈める事はできない!」
アイリーン 「ここのクルーは皆頭が固いんです!こうと決めたら」
ゲイブリッジ 「知ってるとも、このクルーを集めたのは私だ。この首ひとつで人類が救われるなら、賭けてみるか!」
アイリーン 「ああ!」
コモド 「よし!」
カント 「良いんですか?」
桑原 「そうそう大人を疑うもんじゃない」
アイリーン 「問題はバイタル・ネットで固定できても沈められない程巨大なものをどうやって・・・」
勇 「可能性はあります」
ゲイブリッジ 「ん?」
勇 「世の中に完璧なんてもの、無いんです。俺が知ってる情報は全て提供します」
ゲイブリッジ 「助かる!」
勇 「でも両親の口から出た事が全てですから、確たるものじゃありません」
アイリーン 「それは?」
勇 「オルファンはあれそのものがオーガニック・ニンジンなんですが、基本的に生物的なものですから弱点はあるんです。例えば老廃物を排出する器官があります・・・」
※歌「天神さんの子守唄」
第13話「堂々たる浮上」←
https://ishikobafuji.diarynote.jp/201110082237079452/
→第15話「一点突破」
https://ishikobafuji.diarynote.jp/201201281111461153/
アナウンサー 「あの島のように見えるのがオルファンでしょう!そうとしか考えられません!」
カメラマン 「あんなものが宇宙に飛ぶわけないだろう」
マスコミA 「もっと島に接近しろ!」
マスコミB 「筋雲を避ければ良いんでしょ!?」
マスコミA 「近づけよ!」
マスコミA 「うわあああ!」
コモド 「筋雲だってカーテンだってバイタル・グロウブのネットなんだよ!ぼやぼやするから!」
比瑪 「ユウ・ブレンは!?」
比瑪 「ユウ・ブレンを探すのよ!どきなさい!」
比瑪 「ごめんユウ・ブレン!あたしは馬鹿だ!君を独りにしちゃって、ごめんなさい!」
比瑪 「ユウ・ブレーン!」
比瑪 「怪我してない?どこか痛い所ない?引き攣るとかさ、ねえ?」
比瑪 「手と足はちゃんと付いてるね。凄い、ちゃんと戦ってちゃんと生きてる!偉いよ君!怖い?怖くないの?どうなの?」
比瑪 「君、どうしたの?どこに行くの!?」
ナンガ 「比瑪、比瑪、どこにいる?別働隊がいるぞ!」
比瑪 「あいつ、勇の気性が移ったんじゃないのか?」
勇 「馬鹿か!おまえは!図体がでかいからってパイロットが乗ったグランチャーと戦えるほど、おまえは良く出来ちゃいないんだ!親父達が何と言おうとおまえ達は人間を乗せる為のスペースを用意して生まれたんだ、それは何故だか分かるか、ええ?おまえ達がこの地球の進化の歴史の中で学んだ事だよな。人間の反射神経と判断力と感性、それに生殖だけは人間のものを利用するつもりだからだ、こいつのコピーは面倒だもんな!しかし、力を行使する事は自分達のものにした。フッ、人間って奴は力の使い方を知らないエゴイスティックな動物だからだろう?だからおまえ達は、おまえ達に必要な人間だけを摂取して、地球が育てた生物の生体エネルギーの全てを吸収して銀河旅行をするつもりだ!それがおまえ達だ!けどそういうおまえ達が何故かグランチャーとブレンパワードという二つに分かれて生まれた。しかも雄と雌との関係でもない。もっと根源的に、陰陽とか、プラスマイナスぐらいはっきりと反発し合う習性をもっている、何故だよ!?一つで完全無欠に永遠であるものなどこの世の中にはない。だからこうやってぐちゃぐちゃに生まれてきたんなら、オルファンだってそうだろう!?自分の反対にあるものと戦って探しているものがあるんだろう!?ビー・プレートとかもう一人のオルファンとかさ!オーガニックで有機的なものが1つのものであるわけはないのに!貴様、おまえは!比瑪程度の女に唆されて・・・うっ?・・・馬鹿野郎!」
勇 「お、おい。怪我は無いよな?どうだ、ええ?」
デッキクルー 「ユウ・ブレンが戻ったぞー!」
勇 「ブレン、痛いところは無いか。悪口は言ったつもりはないぞ・・・よし」
デッキクルー 「身体検査しないと駄目だろう!」
勇 「よく戻ってきた、ブレン。震えているのか?何があったんだ?」
勇 「俺がついててやるから怖がるな。何が怖かったのか、教えてくれるか?」
ノヴィスクルーA 「ユウ・ブレン、また発進!」
アイリーン 「任せておいて!」
桑原 「オルファンの動きは止まりましたね」
アイリーン 「バイタル・ネットは?」
桑原 「安定した出力を見せています」
カント 「そのネットとノヴィスのオーガニック・エナジーが3隻の随伴艦のプレートとも繋がって、オルファンの動きが止まったんですか?」
桑原 「そう考えるしかないタイミングじゃないか!」
カント 「ここの数値は全てノヴィスを設計した人間が弾き出した数字です」
アイリーン 「オルファンには通用しないと言うのね?」
カント 「それも断定出来ませんけど?」
アイリーン 「そうであっても、あたし達は最善の事をやるしかないです」
カント 「大人は大変ですね。僕は子供のままでいたいな」
アイリーン 「君の頭と口先は立派な大人よ?」
カント 「違いますよ!」
アイリーン 「不幸ですけど、大人です」
カント 「本当ですか、博士!?」
桑原 「天才少年って誉めたいけれど、君はニーチェを超えてるな」
源野 「ふふふっ」
カント 「粗製濫造された神々が踊り狂ってるんですよ!」
アイリーン 「・・・やっぱり大人じゃない」
クインシィ 「本当にオルファンは頭を抑えられていると、言うのだな?」
リクレイマー 「海上には上からの力がかかっているというデータが・・・」
クインシィ 「その程度の事でオルファンが止まるのか!ノヴィスが何か作戦をやったというのか?」
ジョナサン 「それならこちらも同じ事をするまでだろう、クインシィ・イッサー」
クインシィ 「ジョナサン!」
ジョナサン 「こんな所にノコノコ出てくるからさ!力の無い者が!」
カナン 「何?あの艦隊は?」
ヒギンズ 「こちらに断わり無く出てきた国連軍でしょ?」
ラッカ 「ああなったら、只の虐殺じゃないか!・・・ん?」
シラー 「食らえ!」
シラー 「ジョナサンの邪魔はさせない!」
ナンガ 「イランド部隊は国連の艦隊を守れ。俺と比瑪はグランチャーを止める!」
比瑪 「あの船には何百人もの人がいるんだ・・・これが戦争なんだ。怖い?そうだよね、本当は戦いたくないよね?」
比瑪 「でも皆を守らないと!ユウ・ブレンだって戻ってくれるよ!」
ナンガ 「こいつら一体何機いるんだ?」
ラッセ 「数で勝てないが、指揮官を落せば・・・!」
ナンガ 「待て!ラッセ!」
ラッセ 「止めてみせる!」
ジョナサン 「まだまだぁ!」
カナン 「ラッセ?・・・はっ!」
シラー 「カナン!裏切りの代償は払ってもらう!」
カナン 「シラー・グラス?」
ラッセ 「こいつ!」
ラッセ 「うわっ!」
ジョナサン 「死ねってことよ!」
ラッセ 「い、痛みがきた・・・何!?」
ジョナサン 「とどめをもらう!・・・ぐっ?」
勇 「ジョナサン!もう止めろ!」
ジョナサン 「勇、やっと来たか。逃げ出したかと心配したぜ!」
カナン 「ラッセ!ラッセ・ルンベルク!大丈夫なんでしょ?生きているんでしょ?」
カナン 「ラッセ!ラッセ!」
ラッセ 「・・・大丈夫だ、生きているよ」
カナン 「了解。ラッセ・ルンベルク」
シラー 「仲良く死なせてあげようっていうのに!当たらない?」
比瑪 「カナンさん早く!勇!」
勇 「ジョナサン!貴様は!アノーア艦長に!」
ジョナサン 「ぐわっ!」
勇 「お袋さんに復讐する為にリクレイマーになったんだろう?お袋さんは、アノーア艦長は、責任を感じていた!だからプレートと一緒に海に消えた、いなくなったんだよ!もう他人を巻き込む必要は無いんだ!」
ジョナサン 「もうあんな女の事に拘っちゃいない!」
勇 「そんなパンチ!」
ジョナサン 「自分のプライドしか考えられない女の事などで、誰が思い悩むか!」
勇 「嘘をつけ!親子の情をそんな簡単に切れるものか!」
ジョナサン 「ハッハ!貴様は覚悟が足らないからそういう事言うんだよ!いくじなしめ!男じゃないんだよ!」
勇 「いくじなし?覚悟がない?」
ジョナサン 「本当の覚悟ができていれば親殺しだってできる!キレてやるんじゃない、逆上しなくたって正義の確信があり、信念を通そうという確固たるものがあればできるもんだ!」
勇 「事情があった!」
勇 「事情が!」
ジョナサン 「ハッハ!覚悟がないからオルファンだって沈められないんだ!」
勇 「な、何?」
ジョナサン 「本気でオルファンを沈めるつもりがあれば、おまえが来た時原爆なり水爆を持ち込めたはずだろう?」
勇 「その程度の事ではオルファンは沈むわけがない!」
ジョナサン 「沈むなぁ。2重3重の核を体内で爆発させてみろ、オルファンだって沈む」
勇 「沈まない!」
ジョナサン 「勇よぉ、おかしかないか?なら何で外に出ていってオルファンを沈めようなんて言ってんだ」
勇 「それは、マイクロウェーブとかビー・プレートとかの可能性はあった!」
ジョナサン 「二親と姉さんのいるオルファンなんか端から沈める気はないんだ。それがおまえの本当の気持ちだから、アンチボディ戦なんかやってみせてノヴィス・ノアから食い扶持をもらう為に格好だけはつけてんだ!」
勇 「違う!あいつらはオルファン諸共消えて無くなればいい!」
ジョナサン 「本当にそう思えるか?」
勇 「何を・・・言いたい?」
ジョナサン 「俺さ。クインシィ・イッサーと愛し合ったなぁ」
勇 「俺の知った事か!」
ジョナサン 「粉をかけたらすぐによってきたんだ」
勇 「男と女のやる事、珍しくもない」
ジョナサン 「ドクター翠・伊佐未もなんだ」
勇 「・・・何を言ってるんだ?」
ジョナサン 「いやさぁ、ババァなんて馬鹿にしてたさ。がね、いやぁ味わい深かったって感動したぁ・・・お」
勇 「くう!」
ジョナサン 「ハッハッハ!怒れよ!」
勇 「はあああああ!」
ジョナサン 「普通こういう話は面白がるんだぜ?怒るっていう事の意味は分かるよなぁ?おまえにはオルファンを沈める事はできない!」
勇 「嘘だ!ジョナサン流の強がりだ!」
ジョナサン 「ならお母ちゃんに聞いてみなよ。情熱を秘めた肉体・・・」
勇 「貴様ぁー!」
ジョナサン 「すまない。言い過ぎたな。しかしもう一つ現状報告をしておくと、女房の態度が変わってもそれに気付かないのがおまえのお父ちゃんって事だ!おまえはそういう男と女の間に生まれた子供なんだ!」
ジョナサン 「可哀想になぁ、生きてたって辛いだろう?楽にしてやるよ。心配するな、クインシィだってたっぷり可愛がってやる。俺、包容力ってのあるつもりだからさ」
勇 「くうう!言うなぁ!」
ジョナサン 「ハッハッハ!」
(アイキャッチ無し)
翠 「何故こんなものだけでオルファンが停止するのかしら。オルファンのエネルギーレベルなら振り切れるはずよ」
研作 「こちらの計算ではそうだが、これがオルファンの意思ならどうだ?」
翠 「オルファンの意思なら?」
研作 「どちらにしても今は様子を見た方が良い」
翠 「そうでしょうか?」
研作 「グランチャー部隊にだって影響が出るはずだ」
翠 「ああ。なら、引き上げさせましょう!」
桑原 「良いぞ!このままオルファンを海底へ押し戻せるかもしれない!」
アイリーン 「オーガニック・エンジン臨界点へ持ち上げてみます」
副長 「了解。カウントダウン開始。10、9、8、7、6、5、4」
ノヴィスクルーB 「国連本部より通信です」
アイリーン 「こんな時に?」
ノヴィスクルーB 「は、はぁ」
国連議員 「ノヴィス・ノア及びバイタリティ・ネット作戦に参加している艦隊の作戦は中止!オルファンの静止が認められたので現状のまま待機!」
桑原 「な、何を言ってんです!」
ゲイブリッジ 「オーガニック・エンジンの出力を戻す」
アイリーン 「ゲイブリッジ司令!」
ゲイブリッジ 「上の決定には逆らえん」
桑原 「しかし!」
ゲイブリッジ 「彼等はリクレイマーの言い分を信じているようだ。オルファンがオーガニック・エナジーを吸収せず、そのまま宇宙へ行ってくれるならそれで良いのだ、と」
桑原 「そんな事はあり得ません!」
ゲイブリッジ 「その調査の為の停戦だ!」
アイリーン 「リクレイマーが動いたんですね?」
ゲイブリッジ 「ああ、そうだろうな」
アイリーン 「仕方がない?仕方がないんですね?」
カント 「でしょうね。この船のオーガニック・エナジーの放出がオルファンに気持ち良いってこと、それはあり得るもんな。その結果は、データなんかじゃ分からないよな。あんなもの過去の検証だけで未来予測はしないもの」
ジョナサン 「ハッハッハ!そういう風に怒るお前には、俺一人落とせやしない!」
勇 「やったな!ジョナサン・グレーン!」
比瑪 「勇!何を撃ってるの!?もう相手はいないでしょ!」
勇 「はっ!?貴様のやった事、どんな理由があろうと犬畜生以下だ!鬼だ!外道の極みだ!うわああああ!」
比瑪 「勇、どうしたの?泣いてるの?勇、何で泣いてるの?」
勇 「ほっといてくれぇ!」
ナンガ 「5、6機も落したか?」
コモド 「ああ。引く事はないように見えたけど?」
ナンガ 「そうでもない。勇のブレンは俺のより参っている」
勇 「さっきは大声を出しちゃって、済まなかった」
比瑪 「何か・・・」
カナン 「無茶よ!」
ラッセ 「事情は見りゃ分かるだろう!このぐらいは無茶な事じゃない!」
カナン 「そうだからって、まるで死んでも良いって戦い方は異常です!貴方はファイティング・ハイになるような人ではないのに、どうしたっていうの!」
比瑪 「カナンさん?」
カナン 「英雄気取りでやったのならもっと質が悪い。ブレンだって大怪我をさせて、得な事なんか何にも無いのよ!」
ラッセ 「泣くなよカナン。そう簡単に俺はくたばったりしない」
カナン 「自惚れないでね」
ラッセ 「ああ」
カナン 「先生を呼ぶわ」
ラッセ 「へっ。頼むわ・・・おっ?」
カナン 「ラッセ?どうしたの?」
ラッセ 「ちょっと目眩がしただけだ。休めば良くなる」
勇 「何だ?」
コモド 「何を知ってんのさ、教えなさいよ」
比瑪 「何なんです?」
ナンガ 「あいつ白血病の持病があって、それで疲れ易いんだ」
カナン 「えっ」
比瑪 「でも、今は治らない病気じゃないわ」
ナンガ 「そうなんだが」
アイリーン 「彼は一切の治療を拒んでいるのよ。神が為すままに運命を受け入れるって」
カナン 「どうしてなんです?」
アイリーン 「ここに来た時からそう、あたしにはお灸の治療しかさせてくれないのよ」
カナン 「そんなの変ですよ!」
アイリーン 「勇」
勇 「はい」
アイリーン 「ラッセが呼んでるわ。あなたに話したい事があるって」
勇 「でも・・・」
比瑪 「あたしが行く」
勇 「頼む」
勇 「熱くないのか?」
ラッセ 「熱いさ、気持ち良いけど」
勇 「なんだよ、カナンは怒ってどっか行っちゃったぞ」
ラッセ 「それで良いさ。泣かれるとは思わなかったんで結構効いたよ。今まで俺の事を泣くほど心配してくれる奴なんていなかったからな」
勇 「だったら、治療すれば良いじゃないか」
ラッセ 「俺はブレンに会った時に願掛けをしたんだ。この気に入っている地球をオルファンみたいなわけの分からないものに壊されるくらいなら命を賭けるってね」
勇 「それは分かるけど」
ラッセ 「だから独りで戦おうって勇の気持ちは分かってたんだが、俺達を利用するぐらいの気合いは持って欲しいんだ」
勇 「そういう話か」
ラッセ 「独りでやるよりは良いぜ」
勇 「カナンを、泣かせるな」
ラッセ 「まだ、そういう約束は出来ないな。あの子を生かすために」
比瑪(※) 「おろち こわや 海呑む こわや おねむでころり てんじんさんでころり おろち こわや・・・」
比瑪 「ひだまりの館の先生がよく歌ってくれた子守唄よ」
勇 「カナンは?」
カナン 「ああ。酷い顔を見に来たの?」
勇 「ごめん。心配で」
カナン 「ありがとう」
勇 「いや」
カナン 「自分がこんなに弱いなんて思わなかったな」
勇 「カナンは強いよ」
カナン 「両親から望まれずに生まれれば、怨みしか知らずに独りで生きてしまう。そんなあたしに人類への復讐も出来て銀河旅行が出来るって言われれば、グランチャー乗りになれると思えた。でもそんな事しても、結局は自分の思いからは逃げられないって分かったのよ」
勇 「だからカナンは強いんだよ。俺は逃げてばかりだ」
カナン 「あたしをここに呼んでくれたのは勇よ。勇は復讐なんて意味が無いって分かったんでしょ?」
勇 「それは分かったさ。外からオルファンを眺めてはっきりそう思えたんだ」
勇 「あれは優しい姿をしていた。膨よかで、狂暴なものには全く見えなかった」
カナン 「それ、まるで母なるものの事ね。人間の女達が母になる事をしなくなった。それで子供達は奈落に落ちる。だからオルファンが敵になる」
勇 「そう。それもあるかもな。女が母になる事をやめて、男もそれを許したんだ」
カナン 「戦争が無くなって、自由過ぎて、男も女も自分達の欲望だけに目を向けてしまったのよ」
勇 「生存競争を自分に向けたらエゴだけが育ったんだ」
カナン 「このブレンチャイルドに触っていると、そういう考え方の間違いに気付くみたいで・・・あたし、あの人を愛しても良いのかしら?」
勇 「良いよ、素敵な事じゃないか。カナンとラッセならベストカップルだ」
カナン 「ありがとう」
比瑪 「ふうん・・・」
ナンガ 「このままの状況を永遠に維持できるはずはないでしょう?」
ゲイブリッジ 「それは分かっているが、国連という組織の命令には逆らえない」
コモド 「前線にいるあたしたちのほうが状況は分かっています!このままバイタル・ネットが消滅したらどうするんです?」
ナンガ 「今がチャンスなんです!これを逃せばオルファンを沈める事はできない!」
アイリーン 「ここのクルーは皆頭が固いんです!こうと決めたら」
ゲイブリッジ 「知ってるとも、このクルーを集めたのは私だ。この首ひとつで人類が救われるなら、賭けてみるか!」
アイリーン 「ああ!」
コモド 「よし!」
カント 「良いんですか?」
桑原 「そうそう大人を疑うもんじゃない」
アイリーン 「問題はバイタル・ネットで固定できても沈められない程巨大なものをどうやって・・・」
勇 「可能性はあります」
ゲイブリッジ 「ん?」
勇 「世の中に完璧なんてもの、無いんです。俺が知ってる情報は全て提供します」
ゲイブリッジ 「助かる!」
勇 「でも両親の口から出た事が全てですから、確たるものじゃありません」
アイリーン 「それは?」
勇 「オルファンはあれそのものがオーガニック・ニンジンなんですが、基本的に生物的なものですから弱点はあるんです。例えば老廃物を排出する器官があります・・・」
※歌「天神さんの子守唄」
第13話「堂々たる浮上」←
https://ishikobafuji.diarynote.jp/201110082237079452/
→第15話「一点突破」
https://ishikobafuji.diarynote.jp/201201281111461153/
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